中学受験のリアルを描き、累計65万部の大ヒットとなっている漫画『二月の勝者』。その第2巻でテーマとなった「中学受験は課金ゲーム」というワードは、同世代の子どもを持つ保護者のなかでも話題となりました。

株式会社ファルボが中学受験性の保護者410名を対象に学習塾費用比較を独自調査した『中学受験は本当に課金ゲームなのか?「中学受験にかかる費用」実態調査レポート』(2020年10月22日発表)をみると、中学受験の実態がつかめてきます。今回は、そんな私立中学校の受験にまつわるお金の問題についてみていきましょう。

私立中学に通わせる世帯の年収は800万円を越える傾向

私立中学校への受験を考える際、気になるのはその学費。文部科学省「子供の学習費調査」で確認してみると、私立中学校の学習費総額は140万6,433円。公立中学校の48万8,397円と比較すると、約3倍のお金がかかることが分かります。また、私立の学費は近年増加傾向にあるようです。

「私立中学なんて、世帯年収1,000万円くらいないと無理でしょ?塾だけで100万円以上かかるイメージ」(37歳・小学2年生のママ)
「できることなら、中学から私立に行かせたいけれど……ママ友に言ったら、リッチすぎ!と驚かれてしまって。そんなにお金かかるものなの?」(29歳・幼稚園年中のママ)

『中学受験は本当に課金ゲームなのか?「中学受験にかかる費用」実態調査レポート』によると、私立中学校に通わせる世帯のおよそ7割が年収800万円を越えているのだそうです。さらに、全体の5割以上が年収1,000万円を越え、多くを高年収世帯が占めていることが分かります。厚生労働省「国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況)」によると、「児童のいる世帯」の平均年収は745万9千円。平均よりもゆとりのある世帯が、私立中学を選択する傾向にあるようですね。