年収や貯金額など、他の家庭のお金事情については聞きづらいことが多いでしょう。特に聞きづらいのが「借金」についてです。生活費の足しや旅行などに利用するキャッシングのほか、マイホームを取得するための住宅ローン、子どもの教育費のための教育ローンなども借金に含まれます。今回は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より、二人以上世帯の借金について見ていきましょう。

借金を抱えた世帯は全体の約4割

「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」によると、二人以上世帯のうち借入金のある世帯の割合は、41.8%となっています。世帯主の年齢別に見ると、借入金があるのは以下の割合です。

  • 20代 41.7%
  • 30代 56.3%
  • 40代 65.3%
  • 50代 53.8%
  • 60代 34.1%
  • 70代 15.3%

これを見ると、30代~40代にかけて借金が多いことが分かります。マイホームを取得するための住宅ローンや子供の教育費などで家庭に最もお金にかかる年代といえるでしょう。70代でも15.3%の世帯が借金を抱えています。退職後にも借金が残っていると、年金や退職金から借金を返済しなければならず、老後の生活は厳しくなってしまうでしょう。

次に、借入の額を見ていきましょう。

借入金残高(借入金がある世帯)

  • 50万円未満 4.8%
  • 50万~100万円未満 4.2%
  • 100万~200万円未満 6.2%
  • 200万~300万円未満 4.5%
  • 300万~500万円未満 5.9%
  • 500万~700万円未満 4.8%
  • 700万~1,000万円未満  6.8%
  • 1,000万~1,500万円未満 11.9%
  • 1,500万~2,000万円未満 10.5%
  • 2,000万円以上  29.9%
  • 無回答 10.5%

借入金のある世帯のみでは、借入金の平均額は1,587万円、中央値は1,200万円となっています。2,000万円以上の借入をしている世帯が最も多いため、住宅ローンなど長期に渡って返済するものに借入をしていることが多いと予想されます。実際には、どのような目的で借入をしているのでしょうか。次に、借入の目的について見ていきます。

借入の目的(二人以上世帯)

  • 医療費や災害復旧資金 3.1%
  • こどもの教育・結婚資金 11.0%
  • 住宅の取得または増改築などの資金 67.1%
  • 日常の生活資金 10.3%
  • 耐久消費財の購入資金 24.3%
  • 旅行、レジャーの資金 2.0%
  • 株式等金融資産への投資資金 0.2%
  • 土地・建物等の実物資産への投資資金 4.6%
  • 相続税対策の資金 1.0%
  • その他 9.1%
  • 無回答 1.6%

もっとも回答が多かったのが、やはり「住宅の取得または増改築などの資金」となっています。「住宅の取得または増改築などの資金」とは、つまり住宅ローンやリフォームローンのことです。次いで「耐久消費財の購入資金」です。耐久消費財とは長期間利用する商品で、家電や家具、自動車などを指します。借金と聞いてイメージしやすい「日常の生活資金」は、「こどもの教育・結婚資金」に次いで4番目となっています。

住宅ローンが返せなくなるとどうなる?

世帯の借入の目的として、住宅ローンが多いことが分かりました。借金というイメージがない住宅ローンですが、金融機関からの借金には変わりありません。住宅ローンが返せなくなるとどうなるのでしょうか。

住宅ローンの返済が2カ月ほど滞ると、借主と連帯保証人(保証会社)に督促状や催告書が来ます。どちらも返済ができずに3カ月が経過すると、金融機関から一括での返済が求められ、延滞金が発生する場合があります。一括での返済ができないとなると、担保にしていた不動産を売りに出すしかありません。売却した額でも住宅ローンが残っているのであれば、最終的には自己破産をせざるを得ない状況になる可能性もあります。

住宅ローンは返済期間が20~30年以上に及ぶことが多いため、現在は収入が安定していても将来的に思わぬ病気や失業などで毎月の返済額が負担になってしまうことも考えられます。素敵なマイホームを持っていても、生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。マイホームを取得する際は、身の丈に合った価格の住宅を選び、ゆとりを持った返済計画を立てましょう。

さいごに

今回は、二人以上世帯の借金について見てきました。将来のマネープランを立てる際には、家庭の収入や貯蓄だけでなく、負債についても意識することが大切です。どうしても借入が必要な場合は、余裕をもった返済計画を立てましょう。資金に余裕がある場合は、繰上返済を利用すれば返済の合計額を減らすこともできます。早めに負債の返済を終わらせて、家計のバランスを整えましょう。

参考

「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果」金融広報中央委員会(知るぽると)

石黒 杏樹