その他の考慮すべき支出
前述の支出には、夫婦世帯・単身世帯ともに注意すべき点が三つあります。
一つ目は住居費用の金額です。夫婦世帯では1万3625円、単身世帯では1万2916円となっており非常に低額です。これは、現在の高齢世帯の持家比率が非常に高いためで、老後も賃貸派の方はその分だけお金を準備しておく必要があります。
二つ目に介護関連費用が挙げられます。高齢になると有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などは多くの高齢者が関わる可能性があります。
LIFULL介護によれば、仮に有料老人ホームに5年間住むと約2000万円、サービス付き高齢者向け住宅に5年住むと約1000万円が必要となっています。
三つ目に、この支出はいわゆる最低日常生活費で計算されているという点です。旅行や外食をするなど、ある程度ゆとりのある生活をしたいと思う方は、その費用も別途準備しておく必要があります。
生命保険文化センターによる「ゆとりある老後生活費は毎月いくら必要か」の調査結果(夫婦世帯)では平均値が約35万円なので、前述の平均支出に比べ毎月約7万円多くなっています。1年で84万円、10年で840万円が必要になる計算になります。