なぜ「共働きなのに貯蓄が増えない」?
先ほどのデータの中でもう1つ注目すべきポイントは、「純貯蓄額」です。企業規模別にみて最も純貯蓄額が低いのは、企業規模「30~99人」の183万円でした。この層は妻の有業率がほかの層と比べて低いため、その影響を受けている可能性もあります。
しかし、次いで純貯蓄額が低いのは、企業規模「300~499人」の248万円でした。この層は、妻の有業率が最も高い層でもあります。配偶者の収入を含めた年間収入は744万円と、ほかの層と大きな差がないにもかかわらず、純貯蓄額だけが目立つ結果となりました。
これらの点を踏まえると、「共働きなのに貯蓄が増えない」という悩みを抱えている家庭の多さがうかがえます。次では、このような状況に陥っている場合に必要となる、家計の見直しについて触れていきます。
夫婦で見直す「家計の仕組み」
共働き世帯のなかには、それぞれが自身の収入を管理しているケースも少なくないでしょう。この場合、お互いの金銭的な状況が掴みにくくなってしまいます。その結果、「無駄遣いにブレーキをかけられない」「パートナーが貯蓄していると思い込んでいた」といった問題に発展する可能性も。お金の状況をうまく共有しながら、家計の仕組みを見直してみましょう。