Go Toトラベル事業は、withコロナの時代における「新しい生活様式」に基づいた旅のあり方を普及し、そして定着させる目的で誕生した取り組みです。

国内旅行を対象とした宿泊・日帰りの旅行代金の半額相当が支援されるとして、費用を抑えて旅行したい人から注目されています。

旅行業を営む経営者にとって客足が増えることは喜ばしい反面、県外からの旅行客を素直に喜べない地元民の葛藤もあるようです。

そこで今回は、筆者の地元で問題視されている「Go Toトラベル問題」のひとつをご紹介します。

旅行客を素直に喜べない地元民

旅行客が増えれば地元の経済が活性化し、住民に良い影響を与えるのはいうまでもありません。

しかし、Go Toトラベル事業は国を挙げての取り組みであるにもかかわらず、筆者が住む地域では「なんでそんなキャンペーンするのか」「また県外者がたくさん来ている」などとマイナスに捉えている人も少なくありません。

地元住民が気にしていることはただひとつ。「県外からの旅行者によって新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が持ち込まれてしまうのではないか」ということです。

筆者の県は全国の中でも感染者が少なく、三密を避けたりマスクの着用を徹底したりと、住民たちのCOVID-19対策への心がけも強いと感じています。

また、少子高齢化が進んでいることもあり、お年寄りの割合も非常に高い地域です。せっかく住民全体がCOVID-19対策をしているというのに、Go ToトラベルでCOVID-19が持ち込まれるのではないかと懸念する声があちこちから聞こえてくるのです。