株式市場の振り返り-今後のイベントを控え、メジャーSQ通過後は小動きに終始
2016年9月9日(金)の東京株式市場は小幅な動きとなりました。日経平均株価は前日比で僅かな上昇、TOPIXは▲0.2%の下落で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+1.7%の上昇となる反発でした。
日経平均株価は、前日比+35円高で寄り付いた後すぐに+71円高まで上昇しました。その後は一時▲56円安まで下落しますが、メジャーSQ算出を通過した後場は、16,950~17,000円の狭いレンジで膠着状態となります。結局、大引けは+6円高の16,965円で終わりました。
東証1部で上昇したのは739銘柄、値下がり1,082銘柄、変わらず153銘柄でした。東証1部の出来高は17億6,469万株、売買代金は2兆1,662億円(概算)となっています。SQ算出日だったことを勘案すると、少し寂しい商いだったと言えます。
セクター動向と主要銘柄の動き-20業種が上昇、主力セクターは小幅な騰落に
東証1部で上昇したのは20業種、下落したのは13業種でした。全体的に大きな特徴は見られませんが、上昇率の上位には、素材関連が多く名を連ねています。他方、下落率の大きい業種には、ディフェンシブ業種が多く見られています。逆に、主力セクターは非常に小幅な騰落に終わりました。
個別銘柄では、ローソン(2651)やユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)などのコンビニ株が値を下げ、ライオン(4912)や花王(4452)なども下落しました。また、前日に急騰した任天堂(7974)は小幅反落となり、ディー・エヌ・エー(2432)も大きく値を下げています。富士重工(7270)など自動車株の一角も安く終わりました。一方、コマツ(6301)と日立建機(6305)がいずれも年初来高値を更新し、DMG森精機(6141)などの機械株も堅調でした。また、オリンパス(7733)やニコン(7731)も値を上げています。
東証マザーズ市場の動き-総合指数は反発、久々の1,000ポイント回復が視野へ
東証マザーズ総合指数は、寄り付き直後は安く推移しましたが、前場の半ばからは上昇基調が続き、終わってみれば、ほぼ高値引けに近い反発となりました。何時の間にか1,000ポイントの大台回復が徐々に視野に入っています。また、出来高は6,110万株、売買代金は886億円となり、いずれも前日より小幅増加となりましたが、低水準が続いています。なお、騰落状況は、値上がりが129銘柄、値下がりが84銘柄、変わらず12銘柄でした。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)が久々に急騰となり、ヘリオス(4593)やオンコリスバイオファーマ(4588)などの医療バイオ関連銘柄も大幅高となりました。その他では、MTR(6034)が値を飛ばし、アイティメディア(2148)も急騰しました。一方で、アスカネット(2438)、CRI・ミドルウェア(3698)などが値を下げて終わっています。また、時価総額の大きい銘柄では、CYBERDYNE(7779)とミクシィ(2121)がいずれも小幅下落となりました。
本日(9月12日)の注目点-NY市場下落を受け軟調な展開へ、為替に注視
メジャーSQでは特段大きな動きはなかったようですが、週明け12日(月)の株式相場は値動きの粗い展開が予想されます。まず、先週末のNY市場は前日比▲394ドル安となり、下落幅では久々に大きいものとなりました。この煽りを受ける形で、既に日経平均株価の先物も大幅安となっており、相応の下落が見込まれます。一方で、米国の早期利上げ観測が強まったことによるドル高(円安)の気配が強く表れており、NY市場の下落が日本株へ与える影響は限定的という見方も可能です。
NY市場が約▲400ドル下落したと言っても、下落率で見れば▲2.1%程度であり、「暴落」と呼べるような状況ではありません。落ち着いて行動するべきでしょう。いずれにせよ、こうした動きも、20~21日に開催される日米の金融政策を睨んだ揺さ振りと考えられます。個人投資家は、こうした市場の粗い値動きには付いて行かないことが重要です。また、今週は東京ゲームショー(15~18日)が開催されますので、引き続きゲーム関連銘柄に注目してもいいでしょう。
青山 諭志