医療保険で損する理由

その医療保険ですが、実は損していることがほとんどです。医療保険の保険料と入院時にもらえる給付金から、本当に損をしているかどうか見てみましょう。

医療保険は基本的に、入院したときに1日単位で給付される「入院給付金」と、所定の手術を受けた時に給付される「手術給付金」の2つからなります。入院給付金は1日あたり5,000円、1万円などと設定できることが多く、もらえる入院給付金が多くなるほど保険料も高くなります。

ある保険会社のサイトで、40歳男性・入院給付金が1日あたり1万円のシンプルな医療保険プランの保険料をシミュレーションしてみたところ、月額は約6,000円になりました。一般的に、年齢が上がるほど保険料は高くなり、がん特約や、三大疾病特約、通院特約などを付加して保障を厚くすればさらに保険料は上がります。

次に、医療保険でもらえる給付金を計算してみましょう。生命保険文化センターの「令和元年度生活保障に関する調査」から、40歳代の過去5年以内の入院日数の平均をみると、12.3日となっています。入院給付金が1日あたり1万円もらえるとすると、受け取れる給付金は約12万円。しかし、40歳代で過去5年以内に入院した人の割合は11.8%となっており、88.2%の人は5年間の間で1度も入院をしていません。

5年間、毎月の保険料を支払い続けていると、支払った保険料の合計額は36万円。約9割の人がこの金額をドブに捨てていることになっているのです。「保険に入っていてよかった」という人は残りの1割の人であり、しかも実際に支払った保険料と貰えた給付金を比較すると元が取れていないことも多くあります。

もし医療保険に入らずに、保険料として支払った分を貯めていれば、36万円が自由に使える貯金になったでしょう。もしもの時の備えとして取っておくのはもちろん、運用をすれば増やすことだってできます。