30代以上の3割超は資産運用をしている

最後に資産運用について見てみます。

同調査で「資産運用をしている」と回答した人は全体で32.6%。世代別で見ると、20代は22.0%ですが、30代から50代は3割強、60代〜70代は約4割が資産運用をしています。「お金」について誰かと話す機会は少ないかもしれませんが、しっかり資産運用をしている人は意外と身近にいるようです。

また、20代・30代の約7割が「今後の資産運用意向がある」(「したい」「ややしたい」の合計)と回答していて、全体の56.7%と比べ資産運用に前向きです。

実際、先日コーヒーショップで近くに座って勉強していた大学生風の男性2人が、「iDeCo(個人型確定拠出型年金)」について真剣に話をしていました。しかも、とても詳しい様子で非常に驚かされました。

日本では学校でお金について学ぶ機会がないために、年配であっても資産運用にあまり知識がない人もいます。また、若い年代からすれば、老後なんてまだまだ先の話で、優先順位は低いだろうという筆者自身の思い込みもありました。しかし、調査結果にもあるように、かなり意識や行動が変わってきているようです。

おわりに

新型コロナは、私たちのライフスタイルを大きく変えただけでなく、価値観や考え方にも影響を与えています。今まで経験したことのない出来事に、老後も含めたお金の不安から貯蓄意識が高まったのは当然といえるでしょう。また、コロナ禍では健康維持も大きな関心事になっています。生きていく上で欠かせないものが何か、改めて考えさせられたのではないでしょうか。

【参考資料】「『老後を変える』全国47都道府県大調査2020」(メットライフ生命保険株式会社)

中野 令子