やはり一番の不安要因は「お金」ですが、新型コロナによる不安もあってか、僅差で「健康」が続いています。第3位には「余暇の過ごし方」がランクイン。緊急事態宣言が出されたすぐの頃は、筆者自身も久々に家族とゆっくり過ごすことができて良かったものの、次第に手持ちぶさたになることも増えました。

世代別で見ると、60代〜70代のみ1位が「健康」、2位が「お金」となり、3位が「自分の介護」となっています。一方、新型コロナによる急激な企業業績の悪化が影響してか、20代と30代では「仕事・学業」が第3位になりました。また、40代と50 代では「両親の介護」が第3位にランクインしています。

新型コロナで、老後に対する考え方や価値観が変化した人は約3割

日本では4月に緊急事態宣言が発令され、海外では多くの国でロックダウンが行われました。こうした前代未聞の事態に、全体の約3割の人が「老後に対する考え方や価値観が変化した」と回答。変化したと回答した人に聞いた、変化の内容は以下の通りでした (複数回答)。

第1位「貯蓄意識の高まり」52.8%
第2位「健康への気遣い」51.6%
第3位「生活費の節約」39.6%
第4位「自宅での趣味を持つ」24.0%
第5位「老後の過ごし方をイメージ」20.6%

貯蓄意識が高まったのは全世代に共通しますが、各世代での割合を見ると20代では73.4%、30代が68.6%、40代が68.0%、50代が56.5%と、若い年代ほど高い傾向になっています。ちなみに60代〜70代では32.5%で第3位でした。

また、第2位の「健康への気遣い」は20代から50代までで第2位、60代〜70代では第1位となりました。さらに、第3位の「生活費の節約」も20代から50代までは同じ第3位で、60代〜70代では第2位となっています。高齢世代にとっては、これまで貯蓄してきた資産でどうやりくりするかがより切実になっているのではないでしょうか。