例えば退職時に勤続年数が35年だった場合は、

「800万円+70万円×(35-20)=1,850万円」までは退職金に対して課税されません。

退職所得控除の額は勤続年数により異なることは覚えておいて良いかもしれません。

また、この退職所得控除はイデコの積立金を60歳以降に一括で受け取る場合も利用することが可能です。

しかしここで注意したいことは、イデコも退職金も基本的に同じ退職所得控除の枠で計算します。

退職金が多い人はイデコの分の枠が余らず課税されることがあるため、イデコを始める前に、自分は退職金がどれくらい貰えそうか、自分にとって税メリットのある制度かは十分検討が必要です。

退職金が少ない人、退職金制度がない人はどうすればいいか

「自分の会社には退職金制度がない!」「自分は転職を重ねているからあまり退職金は見込めない!」そんな人こそ、今から少しずつ老後に向けた資産形成を始める必要があります。

先程出てきたイデコも、退職金制度がない人にとっては60歳以降に退職所得控除を使って積立額と運用益が受取時に課税されることなく受け取れるのでメリットが大きいと言えます。

さらに2042年まで制度が延長となることが決まったつみたてニーサ、米ドル建てで積立が可能な外貨建生命保険、投資信託等の特別勘定で運用が可能な変額保険など、イデコだけではなく、運用商品の選択肢はたくさんあります。

これはつまり、一人一人、自分に合った運用商品が異なることを意味しているからといえるでしょう。