誰も知らない、不動産投資家にとっての高齢者入居のメリット
一般的に高齢者というと、「お金がない」「孤独死しそう」などのマイナスのイメージを持たれることが多いと思いますが、実際には全ての高齢者が孤独死するわけではありませんし、むしろ私としては若者の自殺者の方が多いという印象を持っています。
さらに、高齢者はいったん入居したらよほどのことがない限り退去はしません。また、高齢入居者をアパートの管理人として清掃などのアルバイトで雇えば、いくばくかの収入のサポートをすることもできると考えています。
このように、いったん入居すればそのまま長く入居し続けてくれるという点がメリットとして挙げられると思います。
とはいえ、やはり高齢者ですと連帯保証人や滞納保証もつきにくく、孤独死のリスクも気になるところだと思います。しかし、実は民間や公的機関のセーフティネットを活用すれば、これらのリスクはほぼカバーできてしまうのです。
そこで最後に、高齢者入居のリスクヘッジとして、どのような制度を活用できるのかについて見ていきましょう。
高齢者入居のリスクヘッジ
家賃の滞納保証
まずは、家賃の滞納保証に関するリスクヘッジを解説していきます。
民間の滞納保証制度だと高齢者は審査に落ちてしまうことが多いですが、公的機関の滞納保証制度を活用すれば、高齢者でも家賃の滞納保証に加入することが可能です。
たとえば、一般財団法人 高齢者住宅財団では、高齢者だけでなく、障害者、母子家庭、そして外国人の家賃債務まで保証してくれます。
対象となる住宅は高齢者住宅財団と家賃債務保証制度の利用に関する基本約定を締結した賃貸住宅でないといけませんが、仮に基本約定を締結していなくとも、高齢者の入居申し込みがあってから同時並行で申請を出せば良い話なので、約定をしていないからといって利用できないと考える必要はありません。
次に対象世帯についてですが、高齢者世帯に限ってみれば、「60歳以上の方、または要介護・要支援認定を受けている60歳未満の方」というのが制度の対象です(下図参照)。
保証の対象と限度額については、
①滞納家賃:月額家賃の12ヵ月分に相当する額
②原状回復費用および訴訟費用:月額家賃の9ヵ月分に相当する額
となります。
ただし、民間の家賃滞納保証とは異なり、この保証が適用されるのは退去する場合に限るということですので注意が必要です。