世間ではよく、「高齢になると家を借りられなくなるから、マイホームを買っておいた方が良い」と言われます。一方で、急激な人口減少によって空き家が急増するため高齢者の賃貸も問題ないのではないか、という意見もあります。

一体どちらの主張が正しいのでしょうか?

実際、これらの問題を検証するためのデータは存在しないため、どちらが正解かを決めつけることはできません。

高齢者の入居が拒否される一般的な理由としては、「年金生活だから家賃を滞納される可能性がある」というものがあります。しかし、少なくとも私の物件や私の管理会社が管理する物件では、高齢者だからという理由だけで入居を拒否したことは一度もありません。

むしろ、私は高齢者の入居を積極的に受け入れています。なぜなら、高齢者を入居させるリスクをしっかりと把握し、そのリスクへの対策を取っておけば、高齢者ほど優良な入居者は存在しないと思っているからです。

そこで今回は、

  • 高齢者入居の実態とリスク
  • そのリスクをどのようにヘッジすればいいのか?
  • なぜ不動産投資家にとって高齢者が優良入居者になり得るのか?

について具体的に解説していきたいと思います。

この記事を最後までご覧いただければ、「一生賃貸か? それとも持ち家か?」と悩んでいる人は、「一生賃貸暮らしで大丈夫」という理由が分かるようになります。また、不動産投資家にとっても非常に参考になる内容だと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

高齢者はなぜ大家から嫌われるのか?

まずは、「高齢者はなぜ大家から嫌われるのか?」その理由を解説していきたいと思います。

公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会の実態調査によると、大家が拒否感を示す入居者の属性トップ3は、

①障害者
②単身の高齢者
③外国人

ということでした。

こうした方々を嫌がる理由は、近隣トラブルや家賃滞納、孤独死のリスクがあるからでしょう。

しかし、私はこれらの方々の入居を積極的に受け入れていますし、家賃を滞納された記憶も、孤独死で事故物件になった経験もありません。むしろ、しっかりと家賃を支払っていただいているので、私にとっては大変優良な入居者でもあります。

ところが上記のデータからもわかるとおり、一般的にこうした属性の方々は大家さんから拒否感を示される対象であると思います。今回のテーマは「高齢者」ですので、高齢者という属性の方の入居が拒否されてしまう理由について具体的に考えてみましょう。