FTSEラッセルは、2021年10月から中国国債を世界国債インデックス(WGBI)に採用することを決定し、世界で2番目の規模を誇る中国債券市場への巨額の資金流入への道を開いた。

FTSEは、中国国債の組み入れは12ヶ月間にわたって段階的に行われるとし、その条件として、最近発表された改革が投資家のニーズを満たしていることが2021年3月までに確認されることを挙げている。

同改革では、簡素化された口座開設プロセス、サードパーティとのFX取引機能、取引時間の現地時間午後5時から午後8時への延長、T+3(決済日=注文の約定日の3日後)を超える決済を可能にする決済プロセスの変更などが掲げられている。

WGBIをトラックしている資産は約2.5兆米ドルと推定され、中国債券の指数採用で、組み入れ期間中に約1,400億米ドルから1,500億米ドル(月間120億から125億米ドル)に及ぶ資金流入が発生する可能性があるとHSBC投信では予測している。

中国債券のWGBI債券指数への採用は、それぞれ今年11月と12月に組み入れが完了する予定のブルームバーグ・バークレイズ総合インデックスとJPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイドへの組み入れに続くもので、世界的な債券指数への採用が最終段階に入ったことを表している。

しかし、それは、中国と米長期国債の金利差の拡大と人民元高を考えると、指数採用期間後に資金流入が止まることを意味するものではない。

中国の10年国債利回りは現在3.1%で、米国の4倍(0.68%)を上回る水準にある。同時に、中国のオンショア債券は、過去において他の資産クラスとの相関が比較的低く、世界的なリスクセンチメントの影響を受け難いため、分散効果の点でも魅力がある。