株式市場の振り返り-連日の閑散相場の中で小幅続伸、新興市場は好調持続で7日続伸

2016年9月6日(火)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.3%の上昇、TOPIXも+0.7%の上昇で引けています。TOPIXは3日続伸です。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+1.0%上昇する7日続伸となりました。

日経平均株価は、前日比▲2円安で寄り付いた直後に▲14円安となりましたが、その後はプラス圏に浮上します。後場の終盤には一時+59円高となる場面が見られましたが、大引けは+44円高の17,081円で終わりました。日中の値幅が僅か73円という狭い価格レンジの推移に終始し、前日に続く静かな値動きとなったようです。

東証1部で上昇したのは1,561銘柄、値下がり311銘柄、変わらず101銘柄でした。東証1部の出来高は15億4,267万株、売買代金は1兆6,249億円(概算)となっています。前日を下回る薄商いとなりました。かなり心配な状況です。

セクター動向と主要銘柄の動き-28業種が上昇するも、主力セクターは小動きに止まる

東証1部(33業種)で上昇したのは28業種、下落したのは5業種でした。上昇率の上位には、ディフェンシブ業種が並んでおり、主力セクターは僅かな上昇に止まっています。他方、下落した業種には大きな特徴は見られませんでしたが、素材関連が多かったようです。

個別銘柄では、ソニー(6758)と東芝(6502)が年初来高値を更新するなど、電機株が賑わいを見せました。特に、低位株が堅調に推移しており、東芝の他にも、NEC(6701)、OKI(6703)、パイオニア(6773)などが値を上げています。また、任天堂(7974)、KDDI(9433)、日産自動車(7201)などの上昇が目立ちました。一方、TDK(6772)や村田製作所(6981)など電子部品株が値を下げ、トヨタ自動車(7203)やファナック(6954)も下落しました。また、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)も冴えない展開に終始し、ファーストリティリング(9983)も小安く終わりました。

東証マザーズ市場の動き-材料不足の中、総合指数は約9ヶ月半ぶりの7連騰

東証マザーズ総合指数は、寄り付きから高く始まりましたが、前場の終盤には上げ幅を大きく縮小しました。しかし、後場に入ってから再び買いが優勢となり、終わってみれば高値引けとなる7連騰となりました。ちなみに、7連騰は昨年11月下旬以来の約9ヶ月半ぶりです。また、出来高は8,702万株、売買代金は1,109億円となり、いずれも前日より増加しました。特に、売買代金は久々の1,000億円超となり、値嵩株の取引が活発だったことを物語っています。なお、騰落状況は、値上がり152銘柄、値下がりは64銘柄、変わらず7銘柄となりました。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)は小幅高に終わりましたが、グリーンペプタイド(4594)やサンバイオ(4592)など医療バイオ関連銘柄は上昇したものが多かったようです。時価総額の大きい銘柄では、CYBERDYNE(7779)は小幅反落となりましたが、ミクシィ(2121)は堅調に推移しました。なお、前日に大幅上昇となったブランジスタ(6176)は小幅下落、CRI・ミドルウェア(3698)は続伸となっています。逆に、前日は大幅下落だったアクセルマーク(3624)は値を上げて引けました。

本日(9月7日)の注目点-メジャーSQを控えた特有の値動きと、円高進行に注意が必要

米国株式市場の休場明けだった影響はあるとは言え、東京市場は連日の閑散相場となりました。しかし、今週は金曜日のメジャーSQを控えていることもあり、外国人投資家が徐々に戻ってくる7日(水)からは相応の値動きが見込まれます。最近では珍しい連日での静かな値動きとなった分、今後は粗い値動き、取引時間中の揺さ振りに一層の注意が必要です。SQ算出日の前の値動きは特に注意が必要です。

こうした閑散相場の中、主力セクターも小幅騰落に止まっていますが、その中にあって、電機セクターが堅調です。特に、低位株に買いが集まっており、東芝などは先週から連日の年初来高値更新です。こうした低位株への資金シフトは、徐々に他セクターへ展開する可能性があります。ただ、足元は再び円高に振れているため、7日はこの動きが一旦止まることも想定されます。

新興市場は好調が続いています。7日は、東証マザーズ総合指数の8連騰が成るかどうかに注目が集まるでしょう。ただ、目立った物色テーマがない中での指数続伸は、7月から始まった先物指数が影響していることが十分考えらえます。深追いするのは要注意と言えましょう。

青山 諭志