2020年10月1日からタバコ税が増税されて約1カ月。かつては「マイルドセブン」という名前で親しまれた「メビウス」は2000年ごろには250円でしたが今回の増税で540円になりました。タバコを吸わない人には関係のない話ですが、喫煙者には大きな影響を与えているようです。SNSでは増税の前後に次のような声がありました。
「増税前にカートンで買ってきた。コンビニ4軒まわってようやくみつけた」
「タバコ増税を機に禁煙します」
「千円で二箱も買えない」
現在の国内の喫煙者は約1880万人(JT調べ2018年時点)とされますが、この数は減少傾向にあります。今回の増税はさらに喫煙者の減少に拍車をかけるのではないかと推測されます。この記事では、タバコに関するルールや、喫煙者や非喫煙者、あるいは喫煙者の家族など、それぞれの考えをまとめてみます。
タバコのルールはどう変わってきたか
タバコに関する国内のルールは年々厳しくなってきています。現在のタバコはパッケージの半分に健康被害を注意喚起する文言が印刷されていますが、これは1990年から始まったとのこと。特にいま海外では、タバコのパッケージは、黒くなった肺や歯、血管、壊死した組織などのちょっとグロテスクな解剖写真付きであることも多いですから、今後、日本のタバコもそうなっていくかもしれません。
また、未だに「よくわからない」という人が多いかもしれないのは、2020年4月に施行された「改正健康増進法」です。飲食店内は「原則禁煙」となった一方で、タバコの吸える飲食店はいまも存在しているため、特に非喫煙者の方で「あれっ、店の建物の中って全面禁煙になったのでは……?」と思っている人も多いようです。
実は喫煙できる区分は4つあります。加熱式タバコ専用喫煙室・喫煙専用室・喫煙目的室・喫煙可能室です。
加熱式タバコ専用喫煙室・喫煙専用室は、「店舗内に喫煙のできる部屋が設置してある」ということです。ちなみに、加熱式タバコ専用喫煙室では飲食可能ですが、喫煙室では不可です。
喫煙目的室はシガーバーなど「喫煙を目的とする飲食店」を指します。また喫煙可能室は「特定の条件を備えており喫煙のできる飲食店」です。喫煙目的室と喫煙可能室であれば、紙巻タバコを吸いながら飲食できるということです。
これらは店先を見ればわかるようになっていますので、「タバコの煙を避けたい人」も知っておいて損はないでしょう(自治体によってほかにもルールを設けてある場合もあります)。
それでもあとを絶たないマナー違反
新しい法律ができて、喫煙者の数が減っても、そもそもの話として「タバコのマナー違反」はよく話題にのぼります。SNS上では、特に自分自身はタバコを吸わないという非喫煙者の方々から、次のような声が見受けられます。
「喫煙所閉鎖してるのにその周りでタバコ吸うなよ」
「隣の家の人がベランダでタバコを吸うから洗濯物に臭いがつく」
「持病があるから歩きタバコとすれ違うだけでむせてしまう」
「家の前の吸い殻のゴミを片付けても減らない」
「体にいいこと一つもないし税金上がったんだし止めればいいのに」
これらはほんの一部ですが、タバコの煙や吸い殻に迷惑している非喫煙者は多くいます。タバコの煙が生理的にイヤだという嫌煙家の方も多くいますし、喫煙者との間でトラブルがよく起こっているのは間違いありません。
喫煙者の悲哀
喫煙者の肩身は年々狭くなっていることに疑いはありません。喫煙所は少しずつ減ってきていますし、新型コロナウイルスの影響で閉鎖された喫煙所も多くあります。SNS上でもそのことを嘆くような声は多く上がっていました。
「増税されたあげく吸うところはない…喫煙者の肩身はせまい」
「マナー守ってタバコ吸ってるのにマナーをまもっていないやつのせいで禁煙になった」
「タバコもう居酒屋でも吸えないしどこで吸えるんだ」
時代が進むにつれ、タバコの値段が上がり、吸える場所もなくなってしまった喫煙者たちは、肩身の狭い思いをしているようです。これには、非喫煙者とおぼしき人たちからも、同情的な声が聞かれます。
「早死にするの理解しててマナー守って他人に迷惑かけずに吸うぶんにはいいけどな」
「おれは吸いたいと思わんが吸いたい奴には吸う権利もあるのを忘れるな」
「法律もマナーも全部守っても怒る人いるけど、そんなに言うなら法律で禁止すればいいじゃんと思う」
「身近な人」だから感じる影響
こういった意見がある中で、「喫煙者と非喫煙者」という角度とはちょっと違った、ある意味で「現実的」な声も上がっています。
「父はヘビースモーカーだったけど吸ってるときは年取って酸素ボンベ生活するとは想像してなかったはず」
「今は元気だからいいものの将来肺の病気とかになったら介護すんの私だよ」
「うちの父があたしの長男(成人)にタバコ陣営に入るようすすめてるのマジでやめてほしい」
家族には、「副流煙」などとはまた異なる影響もあることがわかりますね……。
まとめにかえて
諸外国のタバコ事情を見てみると、ニューヨークではいまや一箱1000円を超えるそうです。禁煙の動きは世界中で高まっていますし、日本のタバコ税もまだまだ上がっていくことが予想されます。「それでもタバコが吸いたい」という愛煙家の方はますます肩身が狭くなっていくのは間違いありません。
上で紹介したように、「違法でない以上、『喫煙する権利』も考えてあげるべきでは」という意見もあり、「他人に迷惑をかけなければいい」「でも『迷惑』ってその場だけの話じゃないよ」という問題もあり、なかなか難しいところですが、喫煙者と非喫煙者とで知恵を出し合って、もっとうまく共存していけるといいですね。
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