「出戻り」という言葉があるように、昔から離婚後は実家に戻るイメージがあります。しかし、誰もが実家に頼れるわけではありません。両親と折り合いが悪かったり、行き来はするものの苦手意識を抱えていたり、病気がちや高齢だったり…。既に亡くしているという人もいるでしょう。
小さな子どもを抱えて離婚を考えるときには、「実家に頼れないかも」と思い悩む人もいます。実際には、意外にも実家に戻らないシングルマザーは約7割でした。
昭和のガンコおやじと距離を取ることに
離婚後、実家に戻らない選択をした筆者。周囲のシンママ(シングルマザー)にも、実家に戻らない選択をした人、一度は戻ったもののその後自分でアパートを借りた人がいます。
友人のAさんは、離婚前の別居で実家に戻りました。当時を振り返って「お金もなかったし、離婚の話し合いに揉めて疲れ切っていたので、実家に帰らせてもらって助かりました。いつでも相談できたし、母は何かと気にかけてくれ、家の中に人がいるだけでその頃はとても心強く思いました」と語ります。
そんなAさんも、離婚して1年後は実家を出ます。「父親がいわゆる昭和のガンコおやじ。何でも自分の言うことを押し通し、急に怒り出すので、私自身子どもの頃から苦手でした。段々と私の子どもたちにも同じようにするので、子どもたちも苦手意識を持つようになって」。
昔と今は違うと説明しても、怒って話し合いにならないAさんの父。「子どもたちの反応はもちろん、私にも自分の意見を押し付ける父に、これでは自立できないなと。母親ひとりしかいないのに、子どもたちに親との関係で悩んでいるところも見せたくありませんでした。今は子どもたちとアパートに住み、月1回程度会っています」。
周囲に話を聞くと、実家の両親と折り合わず、実家を出るシングルマザーは少なくありません。時代の流れも変わり、親世代には理解しがたいこともあるのでしょう。「孫疲れ」という言葉もあるように、両親にとっても時々会うくらいがちょうどいいのかもしれません。