ちなみに、民営化したNTTは1987年2月に株式公開し、初値1株160万円というとんでもない価格で取引されました。今では、1株2230円前後と低迷しているのですが(10月26日現在)。
もちろん、新入社員が160万円も用意できるわけはありませんから、NTT株は買えません。その代わり、当時の住友金属工業株(住金)を1000株ほど買いました。安い株しか買えませんでしたので、15万円くらいの投資です。それでも、一丁前の投資家になった気分になったものです。
株は当てずっぽうで買うわけではない
今では鉄鋼株に人気はありませんが、当時はバブル直前の土地ブーム。湾岸エリアに広大な土地をもつ鉄鋼株や倉庫株はかなり有望だったと思います。その中でも1番手ではなく3番手あたりの銘柄を買ったのです。もちろん理由があります。
筆者なりの分析では、住金は(1)資産財務内容良好、(2)製品競争力あり(シームレスパイプ)、(3)住友グループ企業という看板という3点から「買い」と判断し、すぐに数倍になると思い込んでいました。
ところが、住金株は全く上がりませんでした。(1)から(3)まで間違いではなかったのですが、ひとつ見落としていたことがあったのです。それはその株自体の人気です。