コロナ禍をきっかけに、株式や投資信託などを運用する人が増えたと言われています。「貯蓄から投資へ」の流れがようやく本格化してきたのかもしれませんが、一方で「最初の一歩が踏み出せない」という声も。今まで投資をやったことのない人には、身銭を切って試してみるのはどうもハードルが高いようです。そこで今回は、株式投資でプラスになっているという人たちが投資を始めるときにやったことを聞いてみました。

初めての投資で勝つこと

「投資で勝ちたいと思うのであれば、初めての投資で少額でいいからプラスになることが大事」と話すのは、40代の兼業投資家、Aさんです。

Aさんは2016年から投資を始めました。「最初に勝てないと、そこでもう投資が怖くなってしまう。投資にいいイメージが持てなくなれば勉強しようという気にもならないし、モチベーションも保てなくなる。そう思ったので、自分の場合は1か月くらいいろんなチャートを見たり、日経新聞を読んだりして慎重に銘柄を検討した」のだそう。

「結果的に、よく知っている業界のリーディングカンパニーの株を購入。有給休暇の前日に予約の注文を出しておいて、朝から証券会社の画面を眺めていたのを覚えている。怖くてすぐに利益確定の売りをすぐに出した。利益はほんの少ししか出なかったけれど、こんなに簡単に数千円が儲かるものかと目が開かれたような気分だった」と言います。

Aさんは、最初はよく知った業界や自分の働いている業界の株を買うのがいいだろうと言います。「その会社のことをよく知らないと株は買えない。自分が働いている業界なら『あの会社は伸びそうだ』とか『あの会社はあまり先が見えないな』みたいなことがわかるから投資しやすい。自分がよく使うサービスや商品を売っている会社でもいい。単純にファンの目線だけど、そういうシンプルな基準で企業を見ることが大事」と話していました。

自分が普段から使っている商品やサービスを扱っている会社なら、「これはヒットしそうだ」と思う新商品や新サービスが出ることもすぐに情報を入手できますし、気持ち的にも買いやすいでしょう。