訪日外国人観光客増加の一方で深刻化していた“素通り”問題
実は近年、北九州市に限らず、夜景観光に注力している自治体(大都市、地方都市等)は増加しているようです。この背景にあるのが、観光客、とりわけ、外国人観光客の“素通り”問題です。確かに、訪日外国人観光客は大幅増加が続いており、2019年は約3,188万人で過去最高を記録しました。
しかしながら、有名観光地やランドマークへは日帰りで行く外国人が圧倒的に多く、宿泊は有名飲食店や繁華街のある大都市に集中しているのが実情です。その結果、大都市以外には、想定していたほど経済効果が及んでいないと見られています。
国内外観光客の宿泊を増加させるインスタ映えの夜景観光
やはり、泊まって飲み食いして支出金額を増やしてもらわないと、観光地は経済的に潤わないのです。実際、宿泊観光客の消費額は、日帰り観光客の4倍以上というデータもあります。つまり、外国人観光客を“素通り”させずに、いかにして長く滞在させるかが、重要な課題となっているのです。
この課題を解決する1つの大きな手段が、夜景観光です。何しろ、夜景を観るためには、基本的に宿泊する必要があります。また、外国人(日本人も?)が大好きなSNSに美しい夜景はピッタリです。インスタ映えには最適と言っていいでしょう。
さらに、一部の新興国では、治安上の問題などから夜間の外出を控えることも珍しくなく、夜景を楽しむという発想そのものがないと考えらえます。美しい夜景を安全に観ることができるのは、日本の魅力の1つとして定着しつつあるのではないでしょうか。