巷でよく話題に出てくる「就職氷河期世代」というワードがあります。
厚生労働省によると、「就職氷河期世代」とは概ね1993(平成5)年~2004(平成 16)年に学校卒業期を迎えた世代を指しており、2019 年4月現在、大卒で概ね 37~48 歳、高卒で概ね 33 歳~44 歳に至っている方となっています。
希望の会社に正規として採用された人がいる一方、不本意ながら不安定な職業に就いている、無業の状態にある、社会参加に向けた支援を必要とするなど様々な課題に直面している方が多数存在しており、国の施策として、就職氷河期世代支援プログラムがあるなど社会的な問題となっています。
年齢にすると30代~40代という一番働き盛りであり、お金に対する意識も高くなってくる年代であり、資産運用に関しては一番の適齢期とも言えます。
今回は就職氷河期世代でも後悔しない資産運用とはなにかを確認していきましょう。
今の30代、40代はどのくらい金融資産を持っているのか
30代の場合
金融資産保有世帯
- 平均貯蓄額:640万円
- 中央値:355万円
内訳
- 預貯金:322万円
- 保険:200万円
- 有価証券:72万円
金融資産を保有していない世帯を含む世帯
- 平均貯蓄額:529万円
- 中央値:240万円
内訳
- 預貯金:266万円
- 保険:165万円
- 有価証券:59万円
40代の場合
金融資産保有世帯
- 平均貯蓄額:880万円
- 中央値:550万円
内訳
- 預貯金:372万円
- 保険:381万円
- 有価証券:79万円
金融資産を保有していない世帯を含む世帯
- 平均貯蓄額:694万円
- 中央値:365万円
内訳
- 預貯金:293万円
- 保険:301万円
- 有価証券:62万円
まずは平均貯蓄額ですが、平均の場合は一部の貯蓄額が高い方の方に寄ってしまうことがあるため、少し高めに出ています、
一方、中央値は一番少ない金額から並べてちょうと真ん中にくる数値のことで、より実態が反映されていると言えます。
また貯蓄金額の中には預貯金の他に、保険や有価証券の金額が含まれています。
全体的に預貯金や保険の保有率が高めに出ており、資産運用はまだ一部の方だけがやっているという状況が見えてきます。
さらに金融資産を保有していない世帯で見た時に、金融資産を保有していないと回答している方が、30代で全体の15.8%、40代で全体の18.7%となっていることです。
すでに資産格差が広がっていることを示しているのではないでしょうか。
単身者に限定すると金融資産の保有額はどう変わるか
ではここからは金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査[単身者世帯調査]令和元年調査結果」から単身者に限定するとどうなるかを確認してみましょう。
30代の場合
金融資産保有世帯
- 平均貯蓄額:572万円
- 中央値:300万円
内訳
- 預貯金:281万円
- 保険:70万円
- 有価証券:170万円
金融資産を保有していない世帯を含む世帯
- 平均貯蓄額:359万円
- 中央値:77万円
内訳
- 預貯金:176万円
- 保険:44万円
- 有価証券:107万円
40代の場合
金融資産保有世帯
- 平均貯蓄額:972万円
- 中央値:375万円
内訳
- 預貯金:440万円
- 保険:153万円
- 有価証券:314万円
金融資産を保有していない世帯を含む世帯
- 平均貯蓄額:564万円
- 中央値:50万円
内訳
- 預貯金:255万円
- 保険:88万円
- 有価証券:182万円
単身者に限定すると、金融資産を保有していない世帯の平均貯蓄額と中央値の差がかなりあり、その格差は大きくなっています。
就職氷河期により収入面の差が、このように貯蓄が増えない理由のひとつになっているのかもしれません。
就職氷河期世代の資産運用とは
働き盛りであり、老後までの時間が長い30代40代の方は資産運用には向いています。
ただし、よく失敗してしまうパターンとして、貯めていたお金を全部運用に預けて短期間で利益を得ようとすることが挙げられます。
「プロでも売買のタイミングは分からない」と言われており、短期間で大きな利益をあげるのは非常に難しいことです。
運用期間が20年以上確保できるのであれば、毎月定額のお金を積み立てていく、つみたて投資がおすすめです。
お金と時間を分散して投資することで、リスクを軽減し、長く運用することでリターンが安定するという効果があるためです。
また結婚や出産などライフイベントが重なった場合に出費が多くなりますが、つみたて投資であれば無理なくできるのもメリットです。
資産運用の初心者の方には、国の制度である「iDeCo」や「つみたてNISA」を上手く活用すると良いでしょう。
iDeCoとは何か
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は自分の年金を自分で準備するための制度です。
加入条件や毎月の拠出額が人によって異なりますが、iDeCoのメリットは3つの税制優遇が受けられることです。
1つ目は掛けたお金が全額所得控除の対象となることです。これにより所得税や住民税が軽減されます。
2つ目は運用益が非課税になることです。通常運用で出た利益には約20%が課税されますが、iDeCoで運用して出た利益は非課税となるのです。
3つ目は受給年齢に到達した時に受け取る際にも所得控除が受けられることです。
iDeCoのデメリットは年金制度となっていることから、60歳までは原則としてお金を引き出せないことと、始める年齢が遅くなると思ったほど運用益が出ないことです。iDeCoは早めに開始することをおすすめします。
つみたてNISAとは何か
「つみたてNISA」は長期の資産形成をするための制度です。
iDeCoと違って加入条件は日本在住の20歳以上の方となっており、誰でも始めやすいといえます。
メリットは一般的な証券口座やネット証券から投資信託を始めた場合に発生する分配金や運用益などに対する税金が非課税になるという点です。
注意が必要なのは、投資期間が最大20年であること、投資可能な金額毎年40万円(最大800万円)が上限と決まっている点です。
もし自分で何から始めるべきかわからないという場合は、お金のプロに頼るのもひとつの方法です。
現在のコロナ渦で、オンラインでのマネーセミナーも多く開催されていますので活用されてみてはいかがでしょうか。
まとめにかえて
資産運用に充分な時間を使えるのが30代40代です。少しずつでも資産運用を始めていただけるきっかけになれば幸いです。
