ブラックマンデーを引き起こした要因は?

ここで重要なことは、ブラックマンデーを引き起こした理由が未だに不明ということです。

確かに、今となっては、米国の「双子の赤字」に対する懸念、FRB金融政策の不透明さ、ドル高に対する不安などが背景とされていますが、ハッキリ言って、後付の理由(こじつけ)に過ぎません。

これらの懸念材料は、ブラックマンデー発生のずっと以前から指摘されており、しかも、当時は“過度な懸念は不要”という楽観的な見方が大半でした。その意味で、ブラックマンデーは何の前触れもなく、突然起きたと言えましょう。

実は、1929年10月24日(ブラックサースデー)の株価大暴落も、ある日突然に起きたものでした。

今年の10月19日は33年前と同じ月曜日だが…

ブラックマンデーから33年が経ち、大暴落の記憶も薄れつつあります。しかし、今般のコロナ暴落を経て、大暴落の発生は決して非現実的なものではないと感じられたのではないでしょうか。今一度、株式投資には大きなリスクが付随することを認識すべきでしょう。

ちなみに、今年の10月19日は、33年前と同じ月曜日です。10月19日が月曜日に当たるのは、ブラックマンデー後も何回かありましたが、目立った下落は起きていません。今年も何事もなく過ぎるよう祈るばかりです。筆者の懸念が杞憂に終わりますよう。

葛西 裕一