親が元気なうちにやっておきたいこと
親本人の生前に、ある程度確認しておかないと、残された家族が苦労するケースもあります。日頃からの情報共有が大切です。
貴重品の保管場所の確認
通帳や印鑑、生命保険に加入していた場合は証書類の保管場所も家族で共有しておきましょう。不動産を所有している場合は、登記済証(いわゆる「権利証」)、登記識別情報(2004年以降、登記済証に代わって発行されています)についても同様です。
その後の保険金請求、相続関係の手続きに必要となります。
資産のリストアップ
預貯金以外にも、住居や土地などの資産がある人は多いでしょう。また、最近では、ネット銀行や通帳レス口座の利用者も増えています。通帳や印鑑の保管場所を伝えてもらうだけでなく、利用している金融機関と、預貯金以外の資産をリストアップしてもらうことも必要です。
利用料金がからむサービス(公共料金、携帯電話、新聞、宅配、クレジットなど)を確認
年金の停止や各種社会保険の資格喪失届といった公的な手続きは、速やかに行う必要があるため、忘れることは少ないでしょう。
ただ、携帯電話やクレジットカードといった、利用しているサービスについては、人によって利用状況が異なります。公的手続きや会社関係、通夜や葬儀に比べて優先順位が低くなるため、これらの解約手続きは、ついと後回しにしがちです。
手続きを完全に忘れてしまうと、本人の死後も引き続き料金を請求されるケースもあります。できるだけ速やかに手続きができるよう、支払い停止手続きが必要となるサービスについても、リストアップしておいてもらうとよいでしょう。
デジタル遺産
親がパソコン、スマホ、タブレットなどを使っている場合に忘れてはならないのが、「デジタル遺産」の後処理。
「ネットは無料サイトの閲覧のみ、保存しているものは、自身が撮影した画像や動画だけ」、といった状態ならば簡単です。しかし、有料サービスサイトの会員になっていれば、アカウントを停止しないと、利用料を払い続けることになります。
さらに、ネット証券やネット銀行口座があること自体を、遺された家族が知らなかったような場合は、相続対象となる財産が放置されることにもなりかねません。
利用しているサイトとID、パスワードは、必ずリストにして残しておいてもらいましょう。