イク爺・イク婆といった言葉を耳にするようになりました。共働き世帯の増加により、「孫育て」を楽しむ“じいじ”“ばあば”は、非常に力強い存在となっています。

「息子・娘の仕事に協力しながら、孫の成長を間近で見れるなんて一石二鳥!」と楽しみにしているじいじ・ばあばは多いでしょう。また、共働きをする若い世代の中には、両親の「孫育て」に期待する夫婦も多いでしょう。

一方で、孫の面倒を見ることに疲れを感じているシニア世代も少なくないようです・・・。主婦の友社が孫をもつ50代~70代の女性を対象に実施した「孫育てに関する意識調査」でも、その状況が浮き彫りになっています。

ばぁばたちが「孫にしてあげたいこと」って?

まずは、「孫にしてあげたいと思うことは何ですか?」(複数回答)に対する主な回答をみてみましょう。

  • おいしいものを食べさせてあげたい…61.2%
  • 楽しいところへ連れて行ってあげたい…57.9%
  • 健康な体を作ってあげたい…54.5%
  • 自分の知っていることを教えてあげたい…46.3%

「さまざまな手段で孫を喜ばせたい」と考えているシニア世代の女性は多く存在しています。その一方、「お孫さんとの時間も大切だが、自分のためにも時間を使いたいと思いますか?」という質問には、95.9%の人が「はい」と回答しました。「孫のため、そしてわが子を支えるためにできることをしたい」と思いつつ、「自分の時間も大切にしたい」と感じている人の多さがうかがえます。

楽しいことばかりではない「孫育て」

さらに、「『孫育て』をしていて、言いたくても言えないことや、モヤモヤと不満などを抱くことはありますか?」という問いには、52%の人が「ある」と回答しました。可愛い孫の相手とはいえ、モヤモヤした感情を抱く場面も少なくないようです。

では、実際に「孫育て」をしている祖父母たちは、どのようなメリットやデメリットを感じているのでしょうか。みんなの声をきいてみましょう。

「孫育てってイイわよ!」

  • 可愛い孫に会える
  • 孫の成長を感じられる
  • パパやママの子育てのサポートをしていると実感できる
  • 孫と接することで気持ちが若返り、生活に張り合いが生まれる

「実はモヤっとしていることも・・・」

  • おもちゃやおやつなどの費用がかさむ
  • 体力的や注意力が低下しているため、孫の面倒をみることが不安
  • 昔の子育ての常識が通用しないことがある
  • パパ・ママたちが「預かってもらえて当然」という態度が腑に落ちない

今後の老後資金や体力の衰えが気になるシニア世代にとって、孫育ては楽しいだけでは済まされない部分もあります。小さいこどもを預かることは、少なからず「お金の負担」「安全面での責任」が発生してきますよね。気軽にアテにされてしまうとモヤモヤを感じることもあるでしょう。先ほどの、“パパ・ママたちが「預かってもらえて当然」という態度が腑に落ちない”という本音も理解できますよね。

では、子どもをお願いする側のママたちの本音はいかに?

パパ・ママたちがモヤモヤを抱えるケースも

一方、子世代であるママたちがモヤモヤを抱えるケースも珍しくありません。では、その声の一部をご紹介しましょう。

「処分に困るお下がり」攻撃

「『知り合いにもらったから』と、義母から頻繁に中古の子ども服が送られてきます。中身は保育園で禁止のフード付きや、今の息子には大きすぎるシャツなど…。収納スペースを圧迫するだけなので、正直いらないです」

「保育園に預けるなんてかわいそう・・・」

「『孫を預かるわよ』と名乗り出てくれるのは嬉しいのですが、毎回『1歳から保育園なんてかわいそうだからね』と一言添えられるのが厄介です。将来の教育費のために働いているだけなのに」

「地元の有名幼稚園にしなさい!」

「ある日突然、義両親から『ここがいいよ』と有名幼稚園のパンフレットを渡されました。『別の幼稚園に決めています』と断ったら、今度は塾や習い事のパンフレットまで…。我が家の教育方針に口出ししないでほしいです」

さいごに

孫育てを頼む側、引き受ける側の双方がモヤモヤを抱えないためにはどうしたらよいのでしょう。

まず、祖父母の側は、若夫婦の働き方や教育方針に気になる部分があっても、過干渉は避けましょう。そして、できることとできないことの線引きをしておくことが肝心です。

もし孫育てが負担になっている場合は、「パパ・ママが残業のときだけにしてほしい」「土日のどちらかだけにしてほしい」など、率直に伝えるのもいいでしょう。

また、パパ・ママの側も、感謝の気持ちを態度で示していきましょう。「目に入れても痛くないほどかわいい孫なんだから、毎日でも預かりたいと思うはず」なんて思い込みは禁物です。じいじ・ばあば側に体調不良などの困り事が発生したら、今度はこちらが支えてあげる番になることも忘れないように。

親しき仲にも礼儀あり。お互いが「適度な距離感」を意識することで、心地よい協力体制が築かれていくのではないかと筆者は感じます。

【参考】
孫育てに関する意識調査」主婦の友社