フルタイム非正社員の男女別生涯賃金
学校を卒業したあと、非正社員のフルタイムで60歳まで働いた場合の生涯賃金は、男女共に2億円には届かず、男性は1億3,000万円から1億5,000万円程度、女性は1億円を少し超えたくらいとなっています。特に大学・大学院卒の男性の場合、正社員と非正社員では約1億1,300万円もの差がついています。
正社員と非正社員の賃金の差は、雇用形態による賃金格差といえますが、どちらの場合も女性は男性よりも低い賃金となっています。
男女間の賃金格差は、さまざまな要因によって生まれますが、学歴や雇用形態以外にも、勤続年数や企業規模なども賃金に大きく影響します。
男女の賃金格差はどのくらい?
以下のグラフは男女間の賃金格差を学歴、勤続年数、企業規模の分布を共通にし、構成比を調整して表したものです。(調整する前のグラフも一緒に示されています)。男性を100%とした場合の女性の給与の割合を示しています(グラフ参照)。
1990年から2018年までの統計において、75%から80%の間で推移しており、僅かながら格差が縮小していることがわかります。学歴や勤続年数、企業規模を調整する前のグラフでは、格差の縮小幅がより大きくなっています。これは女性の学歴や勤続年数などが男性に近づいてきていることの表れとの分析がされています。
しかし、この統計を見て思うことは、依然として女性は男性に比べて2割程度賃金が低いということです。それは、家庭と仕事の両立という問題が、女性に偏るために、どうしても男性と比べて、仕事に多くのエネルギーを振り分けられないことが影響しているように思います。
長く働き続けられない、補助的な仕事にならざるを得ないとなれば、当然賃金も低くなります。