また、トランプ氏の容体には引き続き注視すべきでしょう。現段階では職務の継続に問題はないと見られていますが、大統領選の選挙活動やテレビ討論なども中止や延期になりそうです。トランプ氏の再選確率が下がり、バイデン氏が優勢となった場合、増税への警戒感から株が売られる可能性があります。

いずれにしても、しばらくは報道などをきっかけに株価が振られる展開が続きそうです。柔軟に対応できるよう備えておきたいところです。

25日移動平均線、および直近の押し安値も割り込む

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初28日、29日は陽線となり、5日移動平均線に下値を支えられて上昇しました。しかし、30日には大きな陰線となって25日線を割り込みます。東証のシステム障害明けの2日も大きな陰線が続きました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。ここしばらく下値サポートとなっていた25日線を割り込んだことは、やや警戒が必要です。加えて心配なのは、週末の下落によって直近の下値メドである9月24日の安値(23,039円)も割ってしまったことです。このことで、短期的な上昇トレンドが崩れてしまいました。

今週以降のポイントとしては、まずはこの直近の安値を回復できるかどうか、さらに25日線を回復できるかどうかです。今週さらに陰線が続き、75日線(22,800円付近)を下回るようであれば、目線は下に持たざるを得なくなります。逆にこのあたりで反発するようであれば再上昇もあり得ます。

ただ、しばらくは方向感が出しづらい動きになりそうです。2日のローソク足は上下のヒゲが長くなっています。一方で、大きな陰線が続いたにもかかわらず、終値ベースでは23,000円台をキープしています。買いたい投資家と売りたい投資家のせめぎ合いが感じられます。

短期的な動きを取りにいくのか、大きな方向感が出るのを待って付いていくのか、自分の投資スタイルに合わせて判断したいところです。

下原 一晃