代表的な国民食でもあるカレーなら、もう少し競合相手がいてもおかしくないと思われますが、なぜ「ココイチ」の独壇場が続くのでしょう? もちろん、「ココイチ」の美味しさ、メニューの充実度、サービスの良さは大きな要因です。とはいえ、参入障壁がさほど高くないと見られるカレーのチェーン店はもっと登場してきてもいいはずです。

存在感が大きい“ご当地カレー”

考えられる理由の1つとして、カレーは家庭料理の定番であることが挙げられます。外食で食べるよりも、お母さん(お父さん)が作った我が家のカレーが一番おいしいと感じている人は少なくないのではないでしょうか。

そして、もう一つ見逃せない理由が、いわゆる“ご当地カレー”の存在です。一般に、ご当地カレーは地元に根強いファンがいるだけでなく、そのカレー目的の観光客も多いと見られます。そのため、全国展開するチェーン店が苦戦する傾向があり、こうした点はラーメンと似ていると言えそうです。

ただ、ご当地カレーと言っても、カレーに地元産の具材(肉、野菜、海産物)を入れているだけのものが多いのも実情であり、その土地が発祥の地となっている真の意味でのご当地カレーはそう多くないと考えられます。

札幌スープカレーと金沢ブラックカレーが2大ご当地カレー?

そのような中で、名実ともに日本の代表的なご当地カレーと言えるのが、札幌スープカレーと金沢ブラックカレーではないでしょうか(注:諸説あります)。