保育料無料(幼児教育・保育の無償化)や大学無償化(高等教育の修学支援新制度)などで、優遇を受けられる「住民税非課税世帯」。低所得世帯ということは知っていても、年収にするといくらなのか、他に条件はあるのかなど、きちんとは知らない人が多いのではないでしょうか。

そこで、日本の制度を知る上で欠かせない「住民税非課税世帯」にスポットを当てて解説します。

住民税非課税世帯って?

読んで字のごとく、住民税が課税されない世帯のことです。世帯とは、生計を一にする家族のことを指し、全員が住民税非課税である場合に「住民税非課税世帯」となります。

住民税とは地方税の一つで、前年中の所得に対して課税される「所得割」と、個人に均等に課税される「均等割」があります。所得割は一律10%、均等割は道府県民税1,500円と市町村民税3,500円を合わせて5,000円となっています。

この住民税には非課税となる条件があります。つまり「所得が低い人は住民税を納めなくてもよい」の所得の条件です。「所得割」「均等割」それぞれに非課税となる条件があるのですが、住民税非課税世帯の場合、両方が非課税である必要があります。

「均等割」は地方自治体によって条件が異なるので、お住まいの自治体の条件を確認してみてください。多くの場合「均等割」の条件に「所得割」の条件が含まれるので、「均等割」で非課税になっていれば住民税非課税世帯の条件を満たすことになります。

以下は東京23区の「均等割」が非課税となる条件です。3つのうちいずれかに該当すれば非課税となります。

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が125万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4,000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
<同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合>
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+21万円以下
<同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合>
35万円以下

東京23区の例では、前年の合計所得金額が35万円以下であれば、扶養家族の有無にかかわらず非課税となるのですが、「そもそも合計所得金額ってなに?」「年収にするといくらなの?」と思った人のために、年収の目安を次にご紹介します。