Cさんはそんな彼女のことを、「自分にプレッシャーをかけて、いろんなハードルを乗り越えていくタイプ」だと表現します。「自分に自分でハッパをかけるのが上手で、周囲から見ると生き急いでいるように見えるときもあるけれど、あれが彼女にとってはちょうどいいペースなのかも」と話してくれました。

ミスを恥ずかしいと思うことがない

最後も金融機関で働く20代女性Dさんです。Dさんは優秀な同僚に言われたある言葉が心に残っていると言います。

「私の同僚は、高学歴というよりは頭の回転が人よりかなり速いタイプ。仕事はデキるし、上司や役員からも好かれていて、どんどん新しいことを任されている。そんな彼女と仕事のミスについて話していたとき、目からウロコのことを言われた」と語るDさん。

「『ミスを知られると恥ずかしい。だって、こんなことでミスするんだって思われたくないじゃん』と言ったら、彼女は『恥ずかしいと思うのは、自分を評価しすぎなんだと思う。自分に対する自分の評価が高すぎると、他人からも高く評価されていると思い込んでしまって、その評価を裏切ったと思うから恥ずかしさとか申し訳なさが生まれてくる』という言葉が返ってきた」のだそう。

「確かに彼女は自分のミスを率直に報告しているし、それをフォローしてくれた人のこともちゃんと上司に伝えている。それに、自分にとって当たり前だった「恥ずかしい」という感情についてそんなに深く考えたこともなかったし、自分で自分を過剰に評価していると言われてなんだか腑に落ちた。優秀な人は何でも自分なりの視点で考えているものなんだと感心した」と教えてくれました。

おわりに

優秀な人と平凡な人の差を感じた瞬間について、4人の実体験を聞いてみました。優秀な人とは視点や見えているものが違うのかなと思うこともあるでしょう。そういう新たな発見を自分のモノにできるといいですね。

大塚 ちえ