夫からの慰めも心に響かず

待望の我が子を亡くした沼田さんは、それからしばらく傷心の日々を送ったといいます。「普通に生活することが、亡くなった我が子に申し訳ないような気がしました。ご飯を食べる、お風呂に入る、テレビを見るという普通の行動がとても贅沢なもののように思えた。だから、自分を罰するためにパートを増やし、ゆっくり過ごせる時間を作らないよう、身体を酷使しました。」

そんな沼田さんを見て、ご主人は当初、すごく心配したそう。「流産は君のせいじゃないと言ってくれました。でも、当時の私はその言葉を、自分が身ごもっていないから言えるんだと思った。当事者じゃないから言える軽い慰めだと感じたんです。」

そんな日々を送っていたある日、沼田さんの携帯に実の母親からLINEが。「そこには私の幼馴染が出産したことと、孫の顔が早く見たいから頑張ってという言葉が綴られていました。」