その手袋、誰を守るためのもの?
コンビニやスーパーなどで、店員さんがゴム手袋を着用している光景を多く見かけるようになりましたね。
不特定多数の人が触った小銭や商品を直接触らないで済むことから、お客さんに安心感を与える効果が狙いだと考えられますが・・・。実はこれ、医療従事者から見るとあまり意味がないことなんです。
接客相手が変わるたびに手指消毒をして手袋も交換する、ということならば効果があるかもしれません。でも、勤務中ずっと同じものを着けっぱなしであれば、直接触ろうが手袋をつけて触ろうが関係ありません。
また、「手袋を着けているから大丈夫」という安心感が、手洗いや手指消毒をする頻度を下げてしまう可能性があります。これは、お客さんだけではなく、自分自身の健康を守るうえで、好ましくないことといえるでしょう。
医療従事者の間では、患者毎、処置毎に「手指消毒→手袋交換」を行うことが大前提となっています。一見清潔そうな手袋でも、一度何かに触れてしまっていれば、衛生面での信頼性は薄くなります。
ましてや、商品や小銭に繰り返し触れた手袋は、商品や小銭と同等以上に、清潔度は低下していくわけです。その手袋のままで、カートや買い物カゴを扱う、などの作業をすれば、汚染を広げることにつながりかねない、と考えられます。
手袋の着用より大切なのは、こまめな消毒や手洗いである、と筆者は考えます。