老後の生活を考えるとき、はじめに頭に浮かぶのは「年金だけで暮らしていけるのか」ということではないでしょうか。老後への不安から、定年後もできるだけ長く働きたいと考える人が増えています。

老後に不安を感じる人は8割超

公益財団法人・生命保険文化センターが2019年に実施した調査によると、老後の生活に不安感を持つ人は全体の84.4%と8割を上回っています。その具体的な理由でもっとも多かったのは、82.8%を占めた「公的年金だけでは不十分」というものでした。

働くシニアが増えている

60歳以上で就業している人の割合は10年ほど前から増加傾向にあります。ここでは、総務省統計局の「労働力調査」(2019年)から、就業者数と就業率をご紹介します(表参照)。

※就業率とは15歳以上人口に占める就業者の割合です。
就業率(%)=就業者÷15歳以上人口×100

60歳以上の就業状態(総務省の資料をもとに編集部作成)

もっとも就業率が高いのは60~64歳の男性で、8割を超えています。男女とも65歳以上になると就業率が大幅に下がっていることがわかります。

一方、内閣府の調査によると「働けるうちはいつまでも働きたい」とした人の割合が42%に上ります。「64歳まで働く」と決めているわけではなく、働き続けられない労働環境などがあるのかもしれません(表参照)。

あなたは、何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいですか(内閣府の資料をもとに編集部作成)