それによる景気の押し上げ効果は限定的だったかもしれませんが、日本経済への貢献度は非常に大きなものがありました。わずかな景気刺激でも失業問題が解決し、職探しを諦めていた高齢者等も仕事にありつけるようになり、デフレが止まり、株価が上がり、企業収益が改善し、税収が増え、財政赤字が縮小したのです。自殺の減少も、アベノミクスのおかげという面が強いのかもしれません。

たまたま少子高齢化によって労働力余剰から労働力不足への移行が起きる直前のタイミングでアベノミクスが登場したということで、幸運な面はありましたが、日本経済への大きな貢献となったことは確かでしょう。素直にアベノミクスを評価して本稿を終えることとしましょう。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義