毎月の支出の中でも、特に大きな割合を占めている世帯が多い「住宅ローン」。収入が減ると、真っ先に影響が及びやすい項目ともいえます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で家計状況が激変し、「このままでは返済が滞ってしまうかも…」と不安に感じている方もいることでしょう。

住宅ローン破綻を防ぐためには、どのような手段があるのでしょうか。

住宅ローンの実態

まずは、住宅ローンの実態をのぞいてみましょう。ここでは、国土交通省住宅局が2020年3月に公表した「令和元年(2019年)度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」の「新築住宅の建設・購入等に係る実績」「中古住宅の購入等に係る実績」をもとにみていきます。

この報告書では、平成30年(2018年)度の「新築住宅向け新規貸出額」は8兆6,874億円であり、平成 29年度より9,627億円増加していると示されています。また、既存(中古)住宅向け新規貸出額は 2兆1,516億円であり、平成29 年度より2,467億円の増加となりました。

このように、住宅向け新規貸出額は新築、中古ともに前年度より増加しています。住宅ローンを利用して住宅を購入している人の多さがうかがえますが、その反面、経済や雇用状況が悪化すれば、その返済に悩む人も増えると考えられます。