小泉進次郎環境大臣が取得したことで注目が集まった男性育休。しかし、本人が取得を望んでいても「会社に前例がない」と、会社側から拒否反応を示されるケースはたびたび耳にします。また、社内の「男が育休なんて」といったネガティブな雰囲気に飲み込まれてしまうこともあるでしょう。さらには、「実際に男性育休を取得した人が周りにいないから育休中が不安」といった意見も。

実は、筆者の周囲には妻の出産を機に1年間の育休を取得した男性が数人います。彼らの実体験から夫婦ともに育休を取得した場合の子育てを紹介します。

男性が簡単には育休を取得できない理由

厚生労働省の「令和元年度雇用均等基本調査」によると、2019年度調査での男性育休取得者の割合は7.48%でした※。2014年度の同調査ではわずか2.30%だったことからすると、少しずつ増加はしています。ただ、女性の同割合が近年はずっと8割台で推移していることに比べると、依然として低い割合であることは事実です。

※2017年10月~2018年9月に妻が出産した男性のうち、2019年10月1日までに育休を取り始めた人(育児休業の申出をした人を含む)の割合

今年4月に第一子を出産した筆者の友人Aとその旦那さんは、夫婦同時に育休をスタート。旦那さんは中小企業勤務で社内では初めてとなる男性育休取得者でした。結婚した2年前から“予防線”を張るように、同僚や直属の上司に「子どもが生まれたら育休を取りたい」と常々言っており、今回もAが安定期に入る前から上司に懇願して、なんとかして育休を取ることに成功したのだとか。