空輸がなくてもオッケーというならいいのですが、現実それは不可能です。旅行にしろ、物流にしろ、空輸なしでは世界経済は回りません。JALは2010年に一度経営破綻していますが、そこから立て直しを図ってきた経緯もあります。航空会社、特に国内・世界主要都市に路線を確保している両社を、政府としても潰すわけにはいきません。

仮に鉄道会社が倒産して線路が放置されたら本当に困りますし、いざ移動する際には不便この方ありません。つまり、社会インフラである航空会社をなくすことはできないのです。

この観点で考えれば、両社はメガバンクの貸出先として願ったりかなったりの、以下の条件を揃えています。

  1. 担保に取れる資産が多い(飛行機、発着枠、自社保有不動産など)
  2. 平時に戻れば、キャッシュフロー(売り上げ)は確保できる
  3. 経営実態も把握できる(新規取引先ではない)
  4. 最後は政府が支援するインフラ企業
  5. 緊急支援なので、ある程度の上乗せ金利も取れる

もちろん状況が改善しなければ、メガバンクはリストラ策なり追加担保を要請するなりして、自分たちが取りっぱぐれることを防ぎます。加えて、最後は上記4. の政府支援が待っていますから、最悪、最後は合併して存続させたり、税金を投入して救済したりすることだって考えられます。

もっとも、個人の立場で考えれば、たとえ会社として存続しても職が保証されるわけではありません。この時代、どんな会社にいても決して油断してはいけないのです。