三菱重工業、1Qは受注高等で前期を下回るも想定の範囲内 固定費削減を継続して推進

2020年8月3日に行なわれた、三菱重工業株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:三菱重工業株式会社 取締役 執行役員 CFO 小澤壽人 氏

2020年度第1四半期決算実績 サマリー

小澤壽人氏:みなさまこんにちは、小澤でございます。よろしくお願いいたします。それでは、スライドの資料に基づいてご説明します。なお、資料を事前にリリースしていますので、数字の読み上げ等の説明は省略し、要点および補足事項等を中心にコンパクトにご説明したいと思います。

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それでは、初めに決算実績の全体概況についてご説明します。スライドの4ページをご覧ください。併せて、5ページもご参照いただければと思います。

受注・売上・事業利益等の各項目において前年同期を下回っており、低調な実績に見えるかと思いますが、5月に提示した新型コロナウイルスの影響を踏まえた年間見通しとの対比では、おおむね想定の範囲内で推移していると評価しています。年間での業績見通しの達成に向けて、工事進捗の挽回や固定費削減等の取り組みを引き続き進めていきます。売上・利益等の各項目については、後ほどご説明します。

第1四半期決算実績 定常収益

スライドの6ページをご覧ください。ここでは、5ページに表示しています2020年度第1四半期の実績を、SpaceJet関連のものとそれを除いた定常収益とに分解して表示しています。

SpaceJetについて補足しますと、ここに表示している事業利益688億円の損失の中には、6月1日に買収を完了したカナダ・ボンバルディアのCRJプログラムに関する減損損失が含まれています。ちなみに前年同期においては、ここのマイナス688億円に相当する金額は54億円の損失でした。昨年同期はSpaceJetの開発費相当部分を資産計上していたことから、このような大きな差となっています。

第1四半期決算実績 連結経営成績 セグメント別内訳

7ページはセグメント別の実績値を記載しています。当社のドメインの再編に伴い、今年度から開示のセグメント区分を一部見直しています。具体的には、従来「インダストリー&社会基盤」としてひとくくりで称していたセグメントを、今回から「プラント・インフラ」と「物流・冷熱・ドライブシステム」の2つに区分して表示しています。

また、前年度との対比を容易にするために、今お伝えした新区分に合わせ、前年同期の数字を分解して表示しています。また、それぞれの内容については、スライド10以降でもう少し補足します。

第1四半期決算実績 連結財政状態

8ページはバランスシートを示しています。総資産は前年度末から872億円増加し、5兆729億円となりました。当社の第1四半期においては、総資産の増加とキャッシュ・フローがネガティブというのが通常の傾向であり、本年もこれに沿った動きとなっています。

なお、本資料には表示がありませんが、前年同期は総資産が5兆2,161億円でしたので、そこからは総資産が約1,400億円圧縮されています。また、7月31日にリリースしていますが、9月に三菱日立パワーシステムズの株式譲渡が実施予定となりました。この取引を終えると総資産が4,078億円圧縮されることになります。

有利子負債については、スライドに赤く吹き出しで表示していますが、フリー・キャッシュ・フローがマイナスだったこともあって増加しています。ただ、資金調達に関しては特段の問題なく実施できています。

第1四半期決算実績 主要財務指標/キャッシュ・フロー

9ページでは、主要財務指標とキャッシュ・フローを示しています。個々の数字はお読み取りいただければと思いますが、財務指標の数字はいずれも悪化傾向のように見えます。もっとも、これは当初から想定されている年度内変動の範囲です。なお、先ほどお伝えした三菱日立パワーシステムズの株式譲渡の影響を反映しますと、自己資本比率は、ここに書かれている22.5パーセントから24.4パーセントとなります。

営業キャッシュ・フローが前年同期に比して悪化しているのは、1つには利益の減少があります。もう1つは、前年同期と対比しての棚卸資産の増加幅が大きくなったことに起因するところが大きいです。投資キャッシュ・フローが前年同期比で664億円増加していますが、これは主にCRJの買収資金の拠出によるものです。

第1四半期決算実績 セグメント別 <受注⾼・受注残⾼>

10ページでは、受注高および受注残高の状況を示しています。受注高は、新型コロナウイルスの影響もあり、前年同期対比で全般的に低調でしたが、エナジーにおいては、Gas Turbine Combined Cycleでプラントの受注があったことなどにより増加しました。

受注残高は、当期の売上が受注を上回ったことから、2019年度末に比べて減少しています。なお、受注残高のグラフで破線で示しています洋上風車は、当社とデンマークのVestas Wind Systems A/Sとの合弁事業として実施しているものですが、この受注残高は増加しています。6月にスコットランドで大型プロジェクトを受注した影響が表れています。

第1四半期決算実績 セグメント別 <売上収益>

スライドの11ページは売上の内訳を記載しています。新型コロナウイルス感染拡大による経済環境変化の影響を大きく受けている事業、具体的には航空機関連や自動車関連、その他中量産品事業を中心に減収の部門が多くなっています。その中では、国内のインフラを中心とする原子力、あるいは防衛関連といった事業が堅調に推移しています。

第1四半期決算実績 セグメント別 <事業利益>

12ページは、事業利益のセグメント別内訳となります。前年度対比の動きとしては、今お伝えした売上収益と同様の動きをしており、増収部門が増益、減収部門が減益という動きとなっています。また、19ページ以降の補足資料の中で、各セグメントについての年間見通しについても記載していますので、別途ご確認いただければと思います。

第1四半期決算実績 事業利益増減分析

13ページは前年同期対比での事業利益の増減要因について、階段グラフを用いて説明しています。2019年度第1四半期の事業利益は、SpaceJetを除く定常収益ベースで459億円、SpaceJet関連の損失がマイナス54億円でした。当年度の第1四半期においては、定常収益マイナス24億円の他に、SpaceJet関連の損失がマイナス688億円となっています。

スライドの左側にマイナス430億円という表示がありますが、これは民間航空機・中量産品事業における、主として新型コロナウイルスの影響による売上減に伴う減益を示しています。年度首の見通し公表時に、「1,400億円の減益要因がある」とお伝えしましたが、これにおおむね対応するものです。

新型コロナウイルスの影響としては、四半期ベースでは第1四半期が最大の影響と想定しており、通期との対比では想定の範囲内で推移しています。内容については、次ページでもう少し補足説明します。

その他の事業の売上増減に伴うマイナス100億円は、今お伝えした事業以外の事業、例えば、プラント・インフラや発電事業等の事業における売上増減による減益です。これには、新型コロナウイルスによるプラント工事の一部遅れ等による影響も含んでいます。

為替影響は、前年同期に比して平均の売上計上レートが1ドル当たり3円強円高に振れたことなどによる利益減です。ここから、固定費削減等のコスト改善がプラス110億円、その他プロダクトミックス変動などがマイナス33億円となっています。

新型コロナウイルスの影響と状況

14ページは、5月11日に期首計画をご説明した際に使用した新型コロナウイルスの影響の想定に、第1四半期時点での状況を追記したものとなっています。左の棒グラフが5月に発表した内容です。それに対し、下方向の矢印が第1四半期だけを取り出した影響となっています。

民間航空機のTier1は、ボーイング向けを中心とした機体の供給事業ですが、ここに記載のとおり、第1四半期には新型コロナウイルスの影響を考慮しない想定の約半減となりました。OEMでの生産調整を受けて、当社でも生産調整を行なったことなどから、減少幅が大きく出ています。

通期では、第1四半期がボトムと見込んでいますが、先行きの生産計画にはまだ流動的な部分もあるため、動向を注視しているところです。場合によっては、当初予定の最大減少幅を若干超過するリスクも踏まえながら対策を講じています。

航空エンジンについては、第1四半期は当初想定したボトムラインで進捗しました。底打ちした感はありますので、このまま推移すると通期でも当初想定の範囲内に収まるものとみています。

中量産品については、第1四半期では想定レンジを超える減少のように見えるかもしれませんが、それほどのことではなく、とくに自動車部品関連で大きく影響が出ているものの、4月をボトムとして回復傾向にあります。したがって、中量産品全体としては、どちらかと言うと年度首に確保していたよりも若干よい推移となっています。

第1四半期の実績を総括すると、CRJ買収に伴う減損損失の計上や新型コロナウイルスの影響での減少などにより、前年同期対比で大幅な減収減益となりましたが、その損失の程度は通期の年度見通しの範囲内でコントロールできており、おおむね手堅く推移していると考えています。

15ページ以降では、今期の業績見通し等を表示していますのでご覧ください。端的にお話ししますと、5月に公表した見通しを据え置いています。再三申し上げていますとおり、第1四半期の進捗は年度見通しに比して少し低調に見えるかもしれませんが、新型コロナウイルスの影響によるマイナスが最も大きいのが第1四半期と想定しており、通期予想のラインからは大きく外れていないことから、据え置いているものです。

もちろん、この先も経済情勢は不確定な面が大きいと感じていますので、油断することなく注視を続け、その状況の変化に応じて施策を講じていくことと考えています。簡単ですが、私からの説明を終了します。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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