新NISAの制度が開始され、1年が経ちました。

筆者は、個人向け資産運用アドバイザーとして従事しておりますが、新NISAについてご相談される方が増加傾向にあります。

具体的には、「新NISAがどのような制度なのか」という基本的なものから、銘柄選びという実践的なものまで幅広く相談を受けています。

そこで今回は、旧NISA制度からの変更点や、「新NISAの特徴」についてわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 【新NISA】旧NISA制度からの「変更点」

旧NISA制度も非課税の大きなメリットがあり、多くの人に利用されてきましたが、新NISAはその機能が向上し、より魅力的な制度となっています。

では、旧NISAと新NISAの違いはどのような点にあるのでしょうか。

旧NISAの特徴を振り返りながら、新しい制度の注目すべき変更点を確認していきましょう。

1.1 旧NISA制度の概要をおさらい

まずは、旧NISA制度の概要をおさらいしておきましょう。

【写真1枚目/全6枚】旧NISA制度の概要をおさらい。2枚目/「新NISA制度」の概要をご紹介1/6

旧NISA制度の概要をおさらい

出所:金融庁「NISAを知る」をもとにLIMO編集部作成

旧NISA制度は「一般NISA」と「つみたてNISA」にわかれていました。

旧NISA「一般NISA」

  • 年間非課税枠:120万円
  • 非課税保有期間:5年間
  • 投資可能商品:上場株式、投資信託等

旧NISA「つみたてNISA」

  • 年間非課税枠:40万円
  • 非課税保有期間:20年間
  • 投資可能商品:投資信託やETF

1.2 新しいNISA制度の概要を確認

次に、2024年1月からバージョンアップした「新NISA制度」の概要を確認していきます。

「新NISA制度」の概要2/6

「新NISA制度」の概要

出所:金融庁「NISAを知る」をもとにLIMO編集部作成

新NISA制度では「成長投資枠」と「つみたて投資枠」に変わり、併用が可能となりました。

新NISA「成長投資枠」

  • 年間投資上限額:240万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:上場株式・投資信託など

新NISA「つみたて投資枠」

  • 年間投資上限額:120万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:投資信託やETF

非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠1200万円)※枠の再利用が可能

1.3 新NISAの魅力を高めることとなった「4つの変更点」とは?

新NISAの魅力を高めることとなった「4つの変更点」とは3/6

新NISAの魅力を高めることとなった「4つの変更点」とは

出所:natural.sound.design/shutterstock.com

旧NISA制度と新しいNISA制度を比較した結果、新NISAには魅力的な変更点がいくつかあります。

主な変更点は以下の4つです。

  • 「成長投資枠」と「つみたて投資枠」が併用可能になる
  • 年間投資上限額が増える
  • 非課税保有限度額(総枠)が新設される
  • 非課税保有期間が無期限になる

旧NISAでは「一括投資」と「積立投資」のどちらかを選ばなければなりませんでしたが、2024年からは両方を併用できるようになり、限度額内で効率的に資産運用ができるようになりました。

さらに、年間の投資上限額が一括投資で2倍、積立投資で3倍に引き上げられました。

特に積立投資については、旧NISAでは月々3万円が上限でしたが、新NISAでは年間120万円(毎月10万円)の積立が可能になります。

また、これまで期限があった非課税保有期間が無期限となり、長期的な投資にも対応できるようになりました。

2. 新NISA「つみたて投資枠」で積立投資シミュレーション

2024年1月から始まった新NISAの積立投資枠を活用し、どの程度の資産形成が可能かをシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの条件は、「毎月3万円の積立×年利3%×30年間」とします。

「毎月3万円の積立×年利3%×30年間」シミュレーション4/6

「毎月3万円の積立×年利3%×30年間」シミュレーション

出所:LIMO編集部作成

2.1 【シミュレーション結果】積立投資「月3万円×年率3%×30年間」

元本・運用収益:総額

  • 開始:0円
  • 2年目:72万円・2万1085円:74万1085円
  • 4年目:144万円・8万7936円:152万7936円
  • 6年目:216万円・20万3382円:236万3382円
  • 8年目:288万円・37万422円:325万422円
  • 10年目:360万円・59万2243円:419万2243円
  • 12年目:432万円・87万2228円:519万2228円
  • 14年目:504万円・121万3969円:625万3969円
  • 16年目:576万円・162万1280円:738万1280円
  • 18年目:648万円・209万8210円:857万8210円
  • 20年目:720万円・264万9060円:984万9060円
  • 22年目:792万円・327万8393円:1119万8393円
  • 24年目:864万円・399万1058円:1263万1058円
  • 26年目:936万円・479万2199円:1415万2199円
  • 28年目:1008万円・568万7281円:1576万7281円
  • 30年目:1080万円・668万2107円:1748万2107円

30年間、毎月3万円を積み立て、年利3%で運用した場合、最終的な資産額は1748万2107円となり、その内訳は元本1080万円、利益668万2107円となります。

もしNISA口座を利用せずに運用していた場合、利益の約668万円には約20%の税金が課せられます。

668万2107円 × 20% = 133万6421円

税金を差し引いた手取りの利益は534万5686円になることから、税金の免除というNISAの大きなメリットを実感できます。

なお、シミュレーション結果は理想的なケースに基づいており、実際の運用では利益が大きく出る年もあれば、反対に損失を出す年もあります。

しかし、長期間運用を続けることで、リスクは分散され、変動は平準化されます。

そのため、焦らず一喜一憂せず、長期的な視点で資産運用を続けることが大切です。

3. まとめにかえて

将来に向けて計画を立てよう5/6

将来に向けて計画を立てよう

出所:takasuu//istockphoto.com

ここまで、「新NISA」の制度や特徴ついて解説してきました。

長期間、積立投資をすることで複利の効果が得られます。

具体的には、「毎月3万円の積立投資・年利3%・30年間」のシミュレーション結果として、元本1080万円で「運用益668万2107円、総額1748万2107円」になりました。

長らく低金利が続いている預貯金でお金を貯めていくことと比べ、長期的にみると大きく差が開く可能性があります。

しかし、資産運用は利益が期待できる一方で、価格変動リスクが伴います。

そのため、長期投資、分散投資を心がけることが大切です。

まずは地域の分散です。日本のみの銘柄や新興国のみの銘柄を購入するのではなく、様々な国に分散投資できるような銘柄選びが大事なポイントになってきます。

次に時間の分散です。積立投資をコツコツと行うことで価格が上がったときも下がった時も気にせず積み立てを続けることが大事なポイントになってきます。

また、資産運用の方法としては新NISAだけではなく、最近だと債券や一時払い終身保険、変額保険、個人年金などさまざまな方法があります。

資産運用の方法によってリスクやリターンの傾向が変わってきますので、家計の状況や目的に合わせて検討するようにしましょう。

4. 新NISAのよくあるご質問(FAQ)

新NISAの疑問を解消しよう6/6

新NISAの疑問を解消しよう

出所:Mameraman/shutterstock.com

4.1 Q1.非課税保有限度額が1800万円ですが、つみたて投資枠だけ、もしくは成長投資枠だけで使い切ることはできますか?

A1.つみたて投資枠だけで1800万円を使い切ることはできます。成長投資枠だけで使い切ることも可能ですが、成長投資枠の非課税保有限度額は1200万円となっています。

4.2 Q2.非課税保有限度額は買付額ベースで管理されますか?

A2.「買付け残高(簿価残高)」で管理されます。また、NISA口座内の商品を売却した場合には、その商品の簿価分の非課税枠が再利用できるようになります。

4.3 Q3.非課税保有限度額を管理するとのことですが、金融機関は変更できますか?.

A3.金融機関は変更できます。非課税保有限度額については国税庁において一括管理を行います。なお、金融機関変更の方法やスケジュールはご利用の金融機関で事前に確認しましょう。

参考資料