教育費の準備は計画的に

進学先によって、金額は様々ですが、いずれにしても多額の教育費が必要になることは間違いありません。特に、昨今は晩婚化の影響もあり、35歳を過ぎてからの出産も多くなってきました。お子さんが大学に進学する頃には、親が定年目前ということも十分にありえます。お子さんの教育費で、老後資金が準備できないということにならないためにも、お子さんが小さいうちから、積極的に教育資金を準備していくようにしたいものです。

さて、具体的な教育資金の準備方法ですが、普通に貯金として口座に貯めていくという方法がスタンダードではありますが、気が付けば生活費などで使ってしまっていた…ということも多いものです。必要な時まで手を付けないような強制力があったほうがよいという人には、「学資保険」などを活用するという方法があります。

これはお子さんの高校進学、大学進学に合わせた時期に一時金や満期金が支払われる生命保険の一種です。被保険者(保護者)に万が一のことがあった場合に、その後の支払保険料が免除されるという特長があります。

ただ、昨今は、日本の金利は(米国や欧州も同じですが)、ほぼないに等しい程まで下がり、保険会社各社は学資保険という商品自体に十分なリターンをつけることが難しくなってきています。このため、かわりに「外貨建終身保険」などの金融商品を使い、教育資金を準備する人が増加傾向にあるようです。

「外貨建終身保険」とは、支払保険料を円で払いこみ、保険会社はそれをドルに変えて運用してくれるというものです。支払い期間は保険会社にもよりますが10年で払込完了となるものが多く、残りの期間は運用のみされていくので払い込んだお金は総払込み額より着実に増えていくといったメリットがあります。また、「学資保険」同様、保険ですので、両親どちらかの名義で入っていれば加入者が万が一亡くなってしまったとしても死亡保険金がおりるので安心という側面もあります。

ただ、「外貨建終身保険」には、運用していたドルを円に戻すときの為替リスクが存在します。教育資金として使用する時が近づいてきたら、解約するタイミングを計っておいた方がよいでしょう。

まとめ

「教育にはお金がかかる」ということは理解しているものの、いざ準備となると、生活や、様々な支払いなどに追われて、なかなか貯めることが難しいという人は多いでしょう。2020年4月にスタートした入学金と授業料がセットで減免される「高等教育の修学支援新制度」などに期待をする人もいると思います。

しかしこちらは現状、住民税非課税世帯、およびそれに準ずる世帯の学生に限定されています。奨学金も、結局はお子さん自身が就職後に返済していく、いわば借金です。利用するかどうかについては、お子さんとよく話し合ってから決めたいですね。

参考

「国公私立大学の授業料等の推移」文部科学省
「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」文部科学省
「高専はこんな学校 中学生向けパンフレット」国立高専機構

LIMO編集部