2016年にドラマ化された『逃げるは恥だが役に立つ』が、今年特別編として放映されました。

「逃げるは恥だが役に立つ」とは目を引くタイトルですが、実はハンガリーのことわざ。逃げることも選択肢に入れながら、自分が本当に戦う場所を選べという意味だそうです。

日本では昔から逃げることはマイナスに捉えられてきましたが、逃げたからこそ心の平穏を取り戻したり、自分自身を見直したり、冷静に物事を考えたり、新たな解決策にたどり着くこともあります。逃げてばかりでは困りますが、自分らしく生きていくためにも逃げが必要なこともあるでしょう。

それは子どもも同じこと。特に家庭や学校という限られた世界がすべての子どもにとって、「逃げ場」は重要です。

とはいえコロナ禍による外出自粛や、夏休みとはいえ連日続く暑い日で外に出かけられない子どもたち。3児を抱え、ワンオペ育児を始めて9年以上経つ筆者が、子どもの逃げ場について「ヒト・モノ・コト」に分けて考えてみました。

「ヒト」家のなかでの逃げ場作り

外出自粛で家のなかにこもるとなると、大人の場合は自らの手で「逃げ場」を用意できます。たとえばSNSで人とつながったり、自分の好きな食べ物を買ったり、テレワーク用や家にこもる用のアイテムを集めてみたり、趣味のヨガをして見たり。

一方で子どもたちは、自ら逃げ場を作ることができません。食べるものは決められ、勉強やゲームの時間を決められ、友達とも交流できないとなると、ストレス発散をする場所がなくなってしまいます。