Aさんは夫と小学生と幼稚園児2人の子どもの4人家族。少しでも家計を助けようと、扶養の範囲内ですが、在宅で仕事を請け負っています。
ある時、Aさんは、夫に家の中が片付いていないことを指摘され、「家のことをちゃんとできないなら仕事を辞めたら?」と言われてしまいました。
Aさんは「仕事を辞めれば、貯金に回すお金がなくなる」と反論しますが、夫は「無理して稼がなくても、俺の給料でやりくりする方法を考えればいいだけだろう。食費だって、もっと手作りするものを増やすとかして節約すれば、お前の稼ぐ分ぐらい捻出できるんじゃないの?」と主張します…。
とにかく「モヤっと」してしまう、この夫の発言。今回は、『食費の節約』について考えていきたいと思います。
家計節約はやっぱり『食費』から?
総務省が公表している『家計調査報告2020年6月分』によれば、2人以上家庭、1世帯の1か月の食費の平均は7万7246円。
この数値をみると、最近ちょっと話題になった「(月の)食費2万円台(※1)」といった節約記事などは、かなり高いハードルだと感じた人が多いのでは?相当の工夫が必要かもしれませんよね。
(※1)「子ども3人でも食費2万円台。節約上手のスーパーの回り方」 ESSE編集部 2020年07月12日
働く人の節約意識
では、ここで株式会社エデンレットジャパンが実施した「ビジネスパーソンに聞いた『家計と昼食に関する調査』」(2020年4月実施)の結果をみてみましょう。
こちらの調査は、消費税増税(2019年10月)や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行による景気悪化などの影響で、家計が苦しくなる状況が続いている状況において、家計の現状を探る目的で、30~50代のビジネスパーソン630人を対象に実施されたものです。
世帯の家計状況(調査時)
- 非常にゆとりがある…1.7%
- ゆとりがある…31.7%
- 苦しい…47.6%
- 非常に苦しい…19.0%
世帯の家計状況(今後の予想)
- 非常にゆとりがあると思う…1.3%
- ゆとりがあると思う…22.7%
- 苦しいと思う…45.4%
- 非常に苦しいと思う…30.6%
消費増税や景気などの影響による節約の有無
- 節約している…84.6%
- 節約していない…15.4%
節約している費用
- 食費…70.7%
- 交際費…58.5%
- 被服費…48.0%
調査時点で「苦しい」「非常に苦しい」と答えている人が半数以上ですが、将来予測として、さらに苦しくなると考えている人が、7割にものぼります。また、この影響で、節約を実践している人は非常に多く、節約を実践している人の7割が『食費』のきりつめに挑戦していると回答しています。やはり節約と聞くと、「まずは食費」と考える人が多いのかもしれませんね。
特に、Aさんの夫のようにあまり家事には積極的でない人の場合、なかには食費の節約について、「食費がかかるのは、出来合いのものが多いせい。底値買いやクーポン使いで安いものをゲットして、作れるものは手作りすれば、食費なんて簡単にコストカットできるんじゃないの?」と簡単に考えてしまう人もいるかもしれません。
実際に、「食費2万円」の記事をよんだ人からは、「夫がこの記事を読んで、本当に2万円でできると思ったらどうしよう…」という心配の声もあがっていたようです。
(※1)「子ども3人でも食費2万円台。節約上手のスーパーの回り方」 ESSE編集部
「ビジネスパーソンに聞いた『家計と昼食に関する調査』」 株式会社エデンレッドジャパン