年収1000万円でも貯金がない、は本当か

年収が低いと貯蓄も少ないのか

さてここまで、年収1000万円以上ある世帯の貯蓄についてみてきました。それでは年収が低ければ貯蓄の水準は低いのでしょうか。実際にデータを見ながら見ていきましょう。

先ほどと同様に、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の年収を階層別に見ていきましょう。

日本の平均年収は約440万円程度と言われていますので、まずは年収が400万円から450万円についての形成について見ていきましょう。

この世帯の貯蓄額は861万円となっています。その内訳は通貨性預貯金が247万円
定期性預貯金が332万円、生命保険などが189万円、有価証券が83万円、金融機関外が10万円となっています。

年収に対する貯蓄の水準は先ほど見たものと同じように約1.9倍から2.2倍となってるのがお分かりいただけるでしょう。

それでは続いて、年収が500万円から550万円の世帯についてはどうでしょうか。

貯蓄額が829万円となっています。そのうち通貨性預貯金が289万円、定期性預貯金が247万円、生命保険などが201万円、有価証券が83万円、金融機関外が10万円となっています。

ここでも年収と貯蓄の水準を比べると、年収の2倍までは達しませんが、年収の1.5から1.7倍と約2倍近くの貯蓄をしていることがお分かりいただけると思います。

年収の水準が変わっても年収に対する貯蓄の比率というのは大きく変わらないというのがお分かりいただけると思います。

年収600万円から650万円の世帯はどうでしょうか。

貯蓄額については1072万円と大台の1000万円を超えています。またその内訳については通貨性預貯金が324万円、定期性預貯金が403万円、生命保険などが238万円、有価証券が80万円 、金融機関外が27万円となっています。

また、ここでも年収と貯蓄の水準を比較してみましょう。貯蓄は1,000万円を超えているものの、残念ながら年収の2倍ほどの貯蓄はございません。

先ほどの年収が500万円から550万円の世帯についてもそうでしたが、このレンジの世帯では 年収が上がっていくにつれて、貯蓄に対する年収の比率は下がっている傾向が見えるのが不思議でもあります。

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慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄といった個人の資産運用(パーソナルファイナンス)を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。Twitter:SatooshiX