株式投資の醍醐味は、値上がり益、配当収入、株主優待とあります。その中でも比較的、定期的かつ安定的に手に入れることができるのが株主優待です。株主優待は、株式を発行する企業が個人投資家を増やしたいという考えから制度の導入を進めており、内容も充実してきています。

日本証券取引所グループによれば、2016年8月1日現在での上場企業数は3,529社です。また、日本経済新聞の報道では、株主優待を導入している企業は1,296社程度あり、株主優待を実施している上場企業は全体の37%にも及びます。また、2010年以降導入数は増え続けており、企業が個人投資家を増やしたいという熱量が高まっていることが分かります。

株主優待を受ける際に注意したいこと

株主優待を手にするためには、準備としていくつか必要なことがあります。極めて簡単です。

  • 証券口座を開設し、株式の売買ができること
  • 自分にとってお得な株主優待を行っている銘柄を見つけること
  • 権利確定日までにその企業の株主であること

以上の3点です。さらに詳しく説明していきます。

1.証券口座を開設する

株主優待を受けるには、当然その企業が発行する株式の株主でなくてはなりません。また、上場企業の株式を売買するためには、証券会社に口座を開設する必要があります。

証券口座を開設する際に費用はかかりませんが、ある程度日数を必要とするので、余裕をもって準備をしておくのが良いでしょう。また、証券会社ごとに手数料が異なりますので、より手数料の安い証券会社に口座を開設しておくことをお勧めします。

参考:株式売買手数料徹底比較! 証券会社によって数十倍違う

また、株主優待は企業の決算期に合わせて実施されるため、基本的には3月もしくは9月に集中します。しかし、上場企業全体で見れば毎月どこかの企業が決算を実施していますので、ある意味、株主優待は毎月楽しむことが可能なイベントです。これまで知らなかった会社の株主優待を見つける機会は多いと言えます。

2.お得な株主優待を見つける

株主優待を上場している企業は、会社のホームページで自社の株主優待制度について細かく説明をしています。

たとえば、株主優待で大変人気のある航空会社のANAホールディングス(9202)では、1,000株以上の株式を保有する株主に株主優待の制度が適用されます。

ANAの株主優待制度の1つの特典として、国内営業全路線の片道1区間を「株主優待割引運賃」(片道普通運賃の50%割引)で利用することが可能です。

たとえば、東京から沖縄までの通常片道料金は45,800円ですので、その50%割引は22,900円となります。ANAの株価は、2016年8月3日終値が269.9円でしたので、1,000株を購入すると26万9,900円となります。よって、株式への投資金額に対して単純計算で8.5%を節約できることになります。なお、優待の発行枚数は保有株数に応じて増えていきます。

3.権利確定日だけには注意

株主優待で1点注意をしたいのが、権利確定日までに株主になる必要があるという点です。権利確定日とは、株主名簿で誰が株主であるかどうかを確定する日です。そのためには、権利確定日の3営業日前までに株式を保有しておく必要があります。言い換えれば、権利確定日の3営業日前までに株式を買っておくということです。

たとえば、8月末の決算では(小売り企業では2月末や8月末決算の会社が多いです)、決算期末が8月31日(水曜日)とすれば、3営業日前の8月26日(金曜日)までに株式を買い付けておく必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ANAの株主優待は日頃からよく旅行をされる方にはお得な制度と言えますね。株主優待の他に、配当もある場合にはさらにお得感が出てきます。ぜひ挑戦されてみてはいかがでしょうか。ただし、株主優待に特に興味があり、決算期末前に購入して、期初早々に売却しようとされる方は、株価変動が大きな銘柄は避けられるのが良いかと思います。

株主優待のメリットを最大化し、リスクを抑えられる活用法を目指すのであれば、投資先企業の商品やサービスを気に入っていて、かつ、長期的な収益の拡大とともに株価上昇や配当を享受できる企業に投資するという視点で選ぶのが良いと思います。

【出所・参考サイト】

>>2016年8月おすすめ株主優待:買物も食事も!オトク5選

>>株主優待ってなに?暮らしにうれしい、その魅力を大公開!

>>ANA片道運賃 運賃表

 

LIMO編集部