仕事上のストレスというのは年齢層を問わず、大なり小なり抱えているものではないかと思います。現代を生きるビジネスパーソンたちは、どのようなストレスに晒されているのでしょうか。

今回は「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査の結果から、ビジネスパーソンのストレス理由とその変化をみていきます。また、職場の上司や部下から受けるストレスの具体的な事例もご紹介していきましょう。

不調の原因に多い「責任と権限のアンバランス」

公益財団法人日本生産性本部のメンタルヘルス研究所が実施した「『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査」によると、2017年以降「心の病」を抱える10-20代が増加(27.9%→30.6%)していました。50代以上を除く全世代が横一線の約30%となっています。

2010年の調査では30代の不調者が58.2%と多かったようです。その理由は、仕事の責任は重いが管理職にはなれないという「責任と権限のアンバランス」によるものと考えられていました。

2017年以降は30代だけでなく、50代を除くすべての年齢層に、このアンバランスによる不調の広がりが見られます。年功序列制の崩壊との連動で、他の年齢層にも同じような悩みが広がったためと考えられるでしょう。

「もう勘弁して!」職場のみんなにもの申す。

仕事のストレスのもとを聞いてみると、会社のブラック体質や上司のパワハラ行為をはじめとする、経営者や上司などへの不満がよく挙がります。いくつか事例をみていきましょう。

テレワーク社員を疑う社長

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大をうけ、多くの企業で受け入れられているテレワーク。世間では新しい勤務スタイルとして注目を集めていますが、従業員を信用していない管理職の現状を憂う社員たちも・・・。

顔出ししない、仕事場(=自宅の中)を映さない社員に対して、「サボるな」「怠けているだろう?」と疑いの発言が投げられるそうです。

出社勤務と比較すると、テレワーク体制では勤怠状況を把握しにくいという側面が、確かにあります。とはいえ、在宅勤務では「仕事場=個人のプライベートな空間」。管理職側もそれを認識しておくべきだと考えられます。