とにかく外で働こうとパート探しに奔走する妻

小学校低学年の娘を持つS美さんは、車で20分圏内にある飲食店でパート勤務をしていました。繁忙期はパート仲間の多くが店長から頼まれて追加シフトを入れて働くほど賑わっているお店でした。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でお客さんは瞬く間に減少し、パートの勤務時間も激減。子供の通う学校も休校措置が取られたため、S美さんは親子2人で家に籠る日々が続きました。そして4月中旬以降は、緊急事態宣言を受けて全社員在宅ワーク命令が出されたS美さんの夫も、ずっと家にいる状態になったのです。

全く仕事ができない状態が数カ月も続いたS美さん。夫から嫌味を言われることがなかったのは救いだと言います。そして、6月の学校再開でホッとしたのも束の間、S美さんの夫の在宅勤務の年内継続が決定。

一方、S美さんのパート先の飲食店は再開したものの、客足の戻りは鈍く以前のようにシフト表も空きが多くスカスカのまま。かといって、このまま家にいると夫の昼食の準備をしたり家事の負担が増える…と感じたS美さん。今後の収入も考えた末、コロナ禍でも大きな影響を受けなさそうな職種のパートを探し始めました。

しかし、いくつか応募してみたものの、同じことを考えている主婦は多いようで倍率も高くなかなか良い返事をもらえません。「まだ子供が低学年だから夕方までガッツリ働く仕事は避けたいけれど、今はそんな余裕も言えない状況」だからと、選択肢を広げて仕事探しをしていたそうです。

そんなとき、夫から「コロナ禍の最中だし、慌てて仕事を選ぶと後悔するから落ち着いて探そう」と声をかけられました。S美さんは、ただ現状から逃げ出そうと闇雲に仕事探しをしていた自分に気がつき、恥ずかしくなったそうです。