最終的な採用理由は「なんとなくやってくれそう」!?
職種や職位にもよりますが、グローバル企業の採用プロセスは面接のみです。加えて、採用決定権は現場のボスにあります。たとえば、経理部員を採用するなら経理部長が、営業部門統括責任者を採用するなら経営陣が採用決定権者になるイメージです。
人事部は候補者を探してアレンジするのが仕事で、面談後にコメントくらいはしますが採用決定権限はありません。デキルる人事担当者かどうかは、いかに多くの人材プールを持っているかにかかっているので、「いい人いれば紹介して」というのが口癖でもあります。あまりに人材を調達できないと、使えない人事とレッテルを貼られます。
ちなみに、筆者が勤務した外資系金融機関ではペーパーテストなどもありませんでした(英語実務能力を測るため、ネイティブスピーカーによる面談というのはあります)。
こうした背景で面接に望むのですが、面接までこぎつけたということは、書類選考が通ったということです。ヘッドハンターが介在しても書類選考で落ちることは普通にありますから、JDにマッチしていることを前提に、“下手な鉄砲数撃ちゃ当たる”でトライする応募者もたくさんいます。
そして、採用するかどうかは現場の部長権限で即決、というパターンも大いにありえます。もちろん、応募者に一通り会ってから甲乙付けて採用するのです。ただし、絶対的基準はなく(もちろんJD上の経歴・経験を満たしていることが条件)、最終的な採用理由は「なんとなくやってくれそう」という曖昧な理由が多かったです。なぜなら、本当にやってくれるかどうかは採用後にしか分かりません。
筆者が採用側だった際の経験から言いますと、期待以上にやってくれた人材は正直2割未満。それ以外は平均並かそれに満たない人材でした。もちろん、筆者自身そういう判断をされていましたから、会社全体としてデキル人材が2割もいれば儲けものなのです。