求人広告でJDが示される

そもそもグローバル企業は、新卒学生を一定時期に一定数採用することはあり得ません。空きポジションが出たときに募集をかけるのが原理原則です。採用するということは、誰かがやめたのか、あるいはこれからやめさせられるのか…、とにかくポジションありきです。これは、若手、シニア、経営層など職位や職責問わず全てです。

したがって、実質的には経験者の中途採用になるのですが、応募の前段階でJDが提示されるのがほとんどです。日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、グローバル企業の人材募集ページにはそのポジションのJDが掲載されています。

たとえば、米ゴールドマン・サックス・グループのグローバル採用ページでは、募集ポジションとともにJDがはっきり記載されています。ですので、自分に当てはまる職種か、条件がマッチしているかどうか、応募者にはすぐに分かりますし、どんなに素晴らしい学歴と経験があっても、それがJDと合わなければ書類選考で落とされます。

ウェブ上では年俸ははっきり書かれないことがほとんどですが、面接ではきちんと教えてくれます。採用時にはその他の条件とともに、労働契約書に労働条件が明示されます。

残念ながら、日本企業でここまでJDを公開して人材募集をしている企業は寡聞にして知りません。もっとも、グローバル企業は不明瞭な条件で人材募集するとEqual Employment Opportunity(雇用均等法)等の法律に引っかかって、裁判沙汰になるので面倒ということもあり、採用条件を公開するのが普通です。

もちろん、グローバル企業といえども私企業です。縁故採用はありますし、最近流行りのリファラル採用(社員の紹介による採用)もずいぶん前からあります。全てが公開されているわけではないことは申し添えておきます。