決め手は"密集・密接の回避"と"デリバリー・テイクアウトの認識の強さ"か?

外食企業でも業績の落ち込み度合いに大きな差が生じるのはなぜだろうか。

コロナ禍では、いわゆる「三密」を避ける動きが広まっている。三密とは「密閉・密集・密接」から名付けられた言葉だ。この風潮を踏まえると、まずは「客層の違い」が足元の業績動向に影響しているとの考えが浮かぶ。

「外食」の括りの中でも、客層は一人客やファミリー、サラリーマン、観光客といったようにバリエーションは幅広い。そうした中、グループ客で利用されることの多いファミレスは密集・密接した食事となりがちなため、客数が大きく減少していると考えられる。

一方で、一人客の利用が多い牛丼店については隣席が空いた席に座るなどして密集・密接をある程度避けることができる。「1~2席空いていれば大丈夫なのか?」という真偽はここでは議論しないが、感染に対する警戒感が人によってまちまちである中、上述した点を理由に「牛丼店なら許容範囲だろう」と考える人は少なくないと思われる。

また、「デリバリーやテイクアウトに対する認識の強弱」も明暗を分けているように考える。

店内での食事を避ける風潮が広まる中、デリバリーやテイクアウトができる店の利用は活発化しているとみられる。

ただ、SNSなどで利用者の声を探ってみると、デリバリーやテイクアウトに関する認識には大きな違いがあるとみる。

元来、テイクアウトの利用客も多かった牛丼店やマクドナルドについては「利用する回数が増えた」という声がSNS上で多く見られる。