決め手は"密集・密接の回避"と"デリバリー・テイクアウトの認識の強さ"か?
外食企業でも業績の落ち込み度合いに大きな差が生じるのはなぜだろうか。
コロナ禍では、いわゆる「三密」を避ける動きが広まっている。三密とは「密閉・密集・密接」から名付けられた言葉だ。この風潮を踏まえると、まずは「客層の違い」が足元の業績動向に影響しているとの考えが浮かぶ。
「外食」の括りの中でも、客層は一人客やファミリー、サラリーマン、観光客といったようにバリエーションは幅広い。そうした中、グループ客で利用されることの多いファミレスは密集・密接した食事となりがちなため、客数が大きく減少していると考えられる。
一方で、一人客の利用が多い牛丼店については隣席が空いた席に座るなどして密集・密接をある程度避けることができる。「1~2席空いていれば大丈夫なのか?」という真偽はここでは議論しないが、感染に対する警戒感が人によってまちまちである中、上述した点を理由に「牛丼店なら許容範囲だろう」と考える人は少なくないと思われる。
また、「デリバリーやテイクアウトに対する認識の強弱」も明暗を分けているように考える。
店内での食事を避ける風潮が広まる中、デリバリーやテイクアウトができる店の利用は活発化しているとみられる。
ただ、SNSなどで利用者の声を探ってみると、デリバリーやテイクアウトに関する認識には大きな違いがあるとみる。
元来、テイクアウトの利用客も多かった牛丼店やマクドナルドについては「利用する回数が増えた」という声がSNS上で多く見られる。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03