長時間労働の是正に向けた法改正が進み、日本人の労働時間は減少する傾向にあります。しかし、そんな時代の流れに逆行するブラックな職場はしぶとく存在します。

「社畜」とよばれる、滅私奉公的な働き方を強いられている人も多いはず。また、テレワークに切り替わった結果、かえって労働時間が長くなったと感じている人も少なくないようです。

今回は、「社畜」「テレワーク」のキーワードを軸に、仕事が長時間化しやすい要因や対策などについて考えていきましょう。

「所定労働時間」は減少傾向だけど…

厚生労働省が公表している「平成31年(2019年)就労条件総合調査」によると、労働者の1日の所定労働時間の平均は7時間45分(前年調査同)、1週間では39時間3分(前年調査より1分増)となっています。

長時間労働の是正に向けた法改正を経た今、10年~20年単位で年間労働時間の推移を見ると明らかに減少してきた傾向がみられます(※1)(※2)。

ちなみに、先述の「労働者1人平均の所定労働時間」を、企業別規模別に追ってみましょう。

  • 1000人以上・・・7時間45分/日、38時間44分/週
  • 300~399人・・・7時間45分/日、38時間59分/週
  • 100~299人・・・ 7時間46分/日、39時間12分/週
  • 30~99人・・・ 7時間46分/日、39時間26分/週

企業規模が大きいほど、所定労働時間が短い、という傾向がみられますね。

これらの数字はあくまで「所定労働時間」。これだけでは、いわゆる「サービス残業」までを含む実際の労働時間が減っているかどうかは判断できません。2016年以降、労働基準法の改正が重ねられた現在でも、法律をくぐり抜けるように社員を働かせるブラックな職場が存在しているようです。

(※1)「令和元年版経済労働白書」p48,49 厚生労働省
(※2)「年間労働時間の推移」厚生労働省岡山労働局