2人の共通点と相違点

メラニア夫人とイバンカさんに共通することは、女性蔑視のトランプ大統領に仕えながらも、じつはその立場を利用して、それぞれが全く異なる野心を満たそうとしていることではないでしょうか。

Quartzの記事(※4)で明らかになったのは、イバンカさんが「発展途上国5,000万人の女性の社会進出や繁栄を6年間、資金提供も含めた支援をするプログラム」を掲げているということです。同記事では「彼女が国際的で外交的な経歴を築いていきながら、女性の地位向上主導者としてのイバンカ・トランプをセルフブランディングするのに都合がいい」と指摘しています。

イバンカさんは父親同様、メディアの報道を敏感に意識しているとのこと。そのため補佐官達は、メディアで彼女の功績が称えられるよう努めていると関係者は話しています。また政治に参加することで、共和党穏健派との人脈を築いているとも言われています(※3)

大富豪の娘として育ったイバンカさんにとって、物質的な贅沢は当たり前。それよりも、社会的な知名度や人脈と権力を握ることに野心を抱いているようです。

一方、メラニア夫人は労働者階級で育ち、カタログモデルとしてのキャリアは決して一流だったとはいえません。イバンカさんのように「自分が手柄を取ってちやほや褒められること」よりも、影で夫や息子に権力を握らせるように計らい、自分は贅沢な生活を堪能することに価値を置いているように思えます。

元ルームメイトはメラニア夫人について、「高価なモノは美しい」という本質よりも値段重視という価値観をもっていると話しています(※5)。著書によれば、2 人は互いに「肖像画(メラニア夫人)」「プリンセス(イバンカさん)」と、陰で小馬鹿にしたあだ名をつけているとのこと。

しかし2人が何と呼び合おうが、何を着ようが、整形していようがどうでもいいことです。既にトランプ家は「娯楽」や「家庭事情」に関連した出費で、今までの大統領家よりも多く税金を使っています。この女帝2人が、自分の野心を満たすために貴重な税金を使うのは勘弁していただきたいものです

参考

(※1)「ただの「トロフィーワイフ」ではなかった!メラニア夫人がかなりの策士である理由」LIMO
(※2)The Washington Post“How Melania Trump blocked Ivanka Trump from encroaching on her domain”
(※3)The New York Times“A White House Challenge: Balancing the Roles of the First Lady and First Daughter”
(※4)QUARTZ“Ivanka Trump tries to be the “nice Trump” in a polite, but skeptical, Africa”
(※5)THINK“Nina Burleigh Melania Trump isn’t a liberal punchline. How a model became a despot’s wife.”

美紀 ブライト