「老後資金は1億円必要だが、普通のサラリーマンは何とかなる」と筆者(塚崎公義)は考えています。

老後資金は1億円必要と考えよう

老後不安を掻き立てるような話が世の中に満ち溢れています。昨年も金融庁の「老後資金2000万円報告書」が話題を集め、不安に感じた読者も多かったことでしょう。

しかし、同報告書が出る前から、老後資金は1億円必要だ、と言う人は大勢いました。そして、それは多分その通りです。60歳女性の平均余命は30年近いので、平均より少し長生きをしても大丈夫なように92歳までの老後資金を用意するとしましょう。

夫婦2人の生活費を毎月25万円とすると、年間300万円、32年間で9600万円必要です。それに万が一に備えての手元資金400万円を加えると、1億円必要だということになるわけです。400万円は、何事もなければ相続財産となり、葬儀代等に使われることになるはずですから、これも老後資金の一部だと言って良いでしょう。

これを聞いて「自分は1億円も持っていない」と焦る人も多いと思いますが、心配無用です。今の高齢者で現役時代に1億円持っていた人はほとんどいないでしょうが、みんな何とか暮らしていますから。特にサラリーマンは、普通は何とかなりますから、安心しましょう。

サラリーマンは年金が充実している

標準的なサラリーマンは、20歳から60歳まで働いて妻が専業主婦の場合で、夫婦合計して毎月22万円程度の公的年金が65歳から受け取れます。生活できない金額ではありませんね。